拡大を続けるNetbook市場に、国内最大手のパソコンメーカーであるNECがついに乗り出す。それがこの「LaVie Light」だ。各部の写真を元に、その姿を明らかにしていこう。
国内メーカーの安心感をNetbookに
LaVie Lightは、LaVieのサブブランドという位置付けである。LaVieのサポートや品質、使いやすさを継承しながら、低価格なNetbookを実現した。NECでは現在のNetbook市場を、「パソコンに詳しく、モバイル用や2~3台目を求める中・上級者」が中心となっていると分析。こうした消費者層に対して、国内ブランドの安心感をアピールしていく。
そのLaVie Lightの第1弾「BL100/RA」は、スペック面ではごくオーソドックスな製品にまとまっている。CPUにはAtom N270(1.60GHz)、GPU内蔵のIntel 945GSE Expressと1GBのメモリー、8.9型ワイドの液晶ディスプレーなどは、9月末に発表された、国内大手メーカーでは初となる東芝のNetbook「NB100」(関連記事)とまったく同じだ。搭載OSはWindows XP Home Edition SP3である。
ただし、東芝があえて「dynabook」の名を冠さずにNetbookを商品化したのに対して、BL100/RAはサブブランドとはいえ、LaVieの名を冠している。それは、前述のように「国内大手ブランドの安心感」をアピールする手段のひとつと考えられる。
ディスプレーサイズの割に、額縁部分が大きく見えるが、幅が約250mmと、他社同級機と比べて若干大きめであるためだ。重さは約1.17kgと、こちらも平均的だ。ボディーの耐久性の高さをアピールしているのが、日本メーカーらしいところで、「面加圧150kgfをクリア」をうたい、満員電車でも安心としている。
またスペック面での差別化が難しい分、細かい部分で違いを打ち出そうとしている。例えば、電源オフでもUSBで接続した携帯オーディオプレーヤーに充電できる「パワーオフ充電機能」(左側面のUSBポートのみ対応)などは、従来のLaVieでも好評な機能だ。またタッチパッドは、2本の指での「ピンチ」(拡大縮小)操作や、指をはじくように動かして操作する「モーメンタム」などにも対応する。
そのほかにも、内蔵アプリケーションやネットサービスを起動できるランチャーソフト「LaVie Lightメニュー」なども備える。
価格はオープンプライスで、予想実売価格は東芝NB100より安価な6万5000円前後を想定している。発売時期は11月上旬。オンライン販売以外の販路に乏しい海外勢のNetbookに対して、日本全国に広範な販路を持つNECによるNetbookの投入は、Netbook市場をさらに活性化させる起爆剤となりそうだ。
BL100/RA の主なスペック | |
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CPU | Atom N270(1.60GHz) |
メモリー | DDR2-533 1GB |
グラフィックス | Intel 945GSE Expressチップセット内蔵 |
ディスプレー | 8.9型ワイド 1024×600ドット |
HDD | 160GB |
光学ドライブ | 搭載せず |
無線通信機能 | IEEE 802.11b/g |
サイズ | 幅250×奥行き176.5×高さ36.5mm(最薄部31.3mm) |
重量 | 約1.17kg |
バッテリー駆動時間 | 約2.6時間 |
OS | Windows XP Home Edition SP3 |
予想実売価格 | 6万5000円前後 |