脱力する、ゆるい語感を気に入っています
── 「ピコカキコする」って言うんですね。
末永 そうです。語感の間抜けな感じがいいと思ったんですね。もう一個、お絵かき機能があって、そっちはお絵カキコって名前にしたんですけども。脱力した感じがいいかな、と。
── かなり脱力してますよ。今日の時点(9月下旬)でどのくらいの書き込み数ですか?
末永 300弱くらいですか。意外とされてます。10個くらいかな、とも思ったんですけど。
── ピコカキコという枠組みを使って、もっと高レベルな音楽表現の世界に行こうとしてるんですか?
末永 そうですね……(少し考える)、ニコニコ動画に「曲を混ぜてみた」というシリーズがあるんです。「笑点」の曲と、かっこよさげな曲を一緒に流して、そのミックス感を楽しむんですけど、MMLだったらそれをコピペするだけでできるので、そういうミックスにも使えるかもしれません。ただ、複雑なミックスを目的にすると、ついて来れない人が出てくると思うので、そうなるとあんまり楽しくないかな。
── 再生ボタンをどんどん押してくと、輪唱みたいになるじゃないですか。あれはあれでいいんですか。
末永 ま、試しにいろいろ鳴らしてみてもらって(笑)
── 全部のトラックのBPM(拍数)を揃えて、ポーンと鳴らすような機能があるといいようにも思います。
末永 ピコカキコについていえば、気軽に投稿できることが一番ですね。同時再生についても、ユーザが勝手に企画して、「同時再生してもいいようなヤツを書いて」というような遊び方が出てくれば、考えたいです。
── 音楽制作ツールとしての作り込みよりは、コミニティーが面白い使い方を見付けていってくれるような流れのほうがやりたい、ということですね。
末永 そうですね。
権利にも配慮しているから、使う側も安心
── 末永さん的には、コミュニティーをドライブしていく仕組みを作るのがメインの生き様なんですか?
末永 ピコピコが好きなので、「あ、ピコピコ聴けた、良かった」というのが個人的な動機です。会社としては、コミュニティーを醸成していくことが仕事ですね。取締役の西村はそういうのが得意なんで、そういうサービスをやっていきます。
── 西村さん(ひろゆき氏)は、ピコカキコに対してどういう反応でしたか?
末永 1日で作って見せたら「あ、面白いじゃん、出せば?」っていう感じ。
── でも、JASRACと交渉してから出したんですよね。当然、権利処理なしでやったら、火ダネ満載なネタになっちゃうわけですが。
末永 安心感があるかないかですね。JASRACの管理楽曲を貼ったら、いつ消されるかわからないような状態だと、あんまり投稿する気おきないですよね。
── なるほど。そこはスゴイです。1日でコードを書いちゃったというのもスゴイですが、優秀なプログラマなら書けるんだろうな、とも思うんです。でも、JASRACに電話してアレコレするのは1日じゃ終わらないじゃないですか。
末永 そうです。めんどくさかったですもん、やっぱり。
この連載の記事
-
第8回
AV
DS-10を歌わせる、ヨナオケイシの超絶テク -
第7回
AV
開発者が語る「KORG DS-10」の秘技 -
第6回
AV
DS-10公式イベントに出演──イパネマの娘を生で -
第5回
AV
KORG DS-10──生みの親・佐野信義氏に挑戦 -
第3回
AV
冥土の土産に世界デビュー、動画投稿サイトはステージなのだ -
第2回
AV
KORG DS-10で、シンクロナイズド・ミュージック -
第1回
AV
どっこい生きてる、アナログシンセ 「KORG DS-10」 -
AV
つなげ!オンガク配電盤〈目次〉 - この連載の一覧へ