新しいデバイスでOperaを動かすのは簡単
――Operaがいろいろなデバイスに対応できるのはなぜなのでしょうか?
ダグ いろいろなデバイスに組み込みやすいようにコアテクノロジーを設計しているからです。
もともとコアエンジンを移植しやすく作っているので、新しいデバイスで動かすこと自体はそれほど難しいことではないのです。ただ、そのデバイスに最適なUIや処理速度を実現するには時間がかかります。
ブレント Operaはコアの技術がいいし、20以上のOSに移植してきた経験・実績もあります。開発陣の能力もあるし、いいアーキテクチャーがある。ですが、どの場合もすぐに対応できたわけではありません。難しいデバイスもありました。任天堂向けの開発はかなり難しかったです。
――昔から他のデバイスへ移植することを念頭に置いた設計をしていたのですか?
ブレント 弊社としては、初期からOperaをWindowsのみに提供していく考えはありませんでした。実は3年ほど前からコアアーキテクチャーの改善に取り組んでいました。Windows Mobile用のOperaが出るまでには期間を要しましたが、一度コアを改善したので各デバイスへの対応が早くなりました。
ユーザーはモバイルでもパソコンと同じサイトが見たいはず
――日本市場の今後についてお聞かせください。これから、どういうデバイスにOperaが載ってくるのでしょうか?
ブレント 具体的にはまだ言えませんが、どんなデバイスにでも載せていきたいと考えています。最近の新製品でも、ソニーのフォトフレーム(関連記事)にOperaが搭載されていて、ネット経由で写真共有サイトにアクセスして自分の写真を表示できます。
USENの「Gyao」のSTBにもOperaが搭載されていますし、KDDIの「au BOX」(関連記事)というSTBにもOperaが載っています。いろいろなデバイスから「YouTube」や「mixi」のようなサービスにアクセスしたいという要望が出てくると思いますし、いままで考えられていなかったようなアプリにつなぎたいという要望が出てくるのではないでしょうか。
あるイベントでコロンビア大学の教授が「技術力によってカギや財布が必要ない時代になるのでは」と言っていましたが、今後もいろいろなデバイスがネットワークにつながる可能性があると思います。
ダグ 日本はほかの国と比べても特に進んだマーケットだと思っています。たとえば、日本のユーザーやメーカーは製品の使いやすさやUIの要求水準が非常に高いです。
こうした日本で培った経験を、ほかの国向けの製品にも応用できるとOperaは考えています。単にお客さまに対して技術を提供するだけでなく、日本の中で確固たるポジションを築いていくことが大事だと思います。