購入者座談会──GPSは今後必須の機能になる
前ページまでの内容で、COOLPIX P6000の特徴は理解できたと思う。以下は、編集者・ライターの独断と偏見で、本機の価値について考える。出席者は、発売日に本機を購入してしまったアスキー総研所長の遠藤(E)、ライターの行正(Y)、トレンド編集部 編集長の小林の3名。
── まずCOOLPIX P6000ですが、カテゴリー的には最近流行の高機能コンパクトって感じでしょうか。
E 要するにオヤジカメラなんですよね。デザイン面ではその条件を満たしているけど、無理して銀塩っぽいカメラぶったデザインになっていないところがいい。
── オヤジ……って、メーカーが怒りますよっ!
E 「ほめ言葉」ですよ。僕はね、このカメラの原型は「COOLPIX700」だと思うんですよ。これが出たころ(1999年前半)は、おおむねどのメーカーもオヤジ好みで、男性向けのコンセプトだった。
── (COOLPIX700を見て)オコゼというか、魚系の面構えですよね。エラが張ったプックリした顔に小さい眼が付いた感じで……。
E 何を言ってるのかっ? COOLPIX700は、補色系CCDでマニア層の評価が高かったんですよ。レンズも単焦点だから明るいし、収差も少ない。これが COOLPIX P6000の先祖じゃないかと思ったわけ。
── なるほど。
Y そういえば遠藤さんは一時期、COOLPIXを買い漁ってましたね。
E ニコンに限らず、デジカメは100万画素の時代まで相当な数を買っていたんですよ。30万画素のころには全財産を費やすかぐらいの勢いだった。ニコンのCOOLPIXは、スイバル型のものが好きで、モデルチェンジのたびに買い換えていました。最近のスイバル機で言うと「COOLPIX S10」というのがあるけど、COOLPIX900シリーズのような男の子らしさがなかったのではないかと言いたいですね。
── 男性的なのがお好みだと。で、オヤジカメラの条件とは?
E このカメラについて言うと、まず「黒い」、ストラップが「両吊り」、そして「ローレット」。カメラとはローレット仕上げのことなり。旋盤に付けてバイスってやつで手間をかけて削る。プラスチックの一体成型ではない。細かいところのデザイン処理もいいと思います。
Y グリップの反対側の下の部分が斜めにカットしてあったりしてね。
E 昔、「かっこいいってことは、なんてかっこ悪いんだろう」って歌があったわけですよ。まさにその言葉のとおり。このカメラは、あんまりカッコ付けていない。「ママカメラ」の延長のようなデザインでありながら、操作性とか、細部のデザイン処理とかが気が利いている。変にレンジファインダー機を意識したり、それっぽく振舞おうとするのは格好悪いと思う人がいてもいいでしょう。
要はクラシックカメラのイメージに頼ってないのがいいところだと思うわけ。そういう意味で、カメラにおけるデジタルネイティブ向けなのかもしれませんね。そろそろ、銀塩をやっている余裕はなかったけど、デジカメで写真に目覚めた世代というのもそれなりの年齢になってきているわけでしょう。