フルサイズは覚悟がいるな、と感じたり……
操作体系に関しても共通感があり、違和感がない。カタログ数値上はD700のほうが、本体の高さが9mmほど高く、重量が170g重い(ボディーのみで995gと825g)。携帯電話1台分程度の差だが、手に取ると数字以上のズッシリ感がある。
レンズを付けるとその差は増す。DXフォーマット(APS-Cサイズ)には豊富でしかも軽量コンパクトなレンズが揃っているのに対して、FXフォーマット(フルサイズ)で、純正かつ現行ラインアップのレンズとなるとまだ本数が少ない(中古市場に流通している古いレンズや将来的に拡充される可能性はあるが)。
「AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8G ED」(重量900g)など、どうしても大げさになってしまう。D3と合わせてリリースされたものだが、26万円と少々値も張る。
D700の潜望鏡のような丸い大きなファインダーをのぞくと、見渡せる範囲はかなり広い。視野率はD300のほうが高いが、そもそもセンサーサイズに差があるためそう感じるのだろう。
また、ファインダーからの光が撮像素子にもれないないようにするアイピースシャッターを備えていたり、矢印で前ピンか後ピンかまで分かるフォーカスエイド機能を備えていたりとD3に近い使い勝手。これは、私ではなくD3と標準ズームを24回払いで購入した書籍担当Kさんのコメントだが、シャッターを切ると、強めのミラーショックを感じ、D3のような安定感(というか静寂感)はないという。このあたりにコスト差が出る印象だ。
なお、質感的な部分で見ると、メモリーカード差し込み口のフタの機構は、D700は低価格機と同じで、フタそのものを手前にスライドさせるタイプ。D300はD3と同じ液晶脇のスイッチで開閉するタイプに比べると若干チープである。