300億円の流通総額を狙う
ではMANEOの将来を妹尾社長はどのように捉えているのだろうか? アメリカでソーシャルレンディングを手がけるプロスパー・マーケットプレース・インクの利用者は、約80万人。流通総額は約180億円と公表されている。
日本の学資ローンやウェディングローンなど、銀行の無担保目的別ローンの市場は7兆円ほど。それらをターゲットに妹尾社長は2011年3月末時点で「約300億円の流通総額を目指す」と述べる。
妹尾氏は「最初は投資信託よりも割がいい投資として、10万円くらいの小額からスタートする貸し手が多いのではないか」と予測する。SNSなどを見て共感で入ってくるユーザーよりも、1つの金融商品としてソーシャルレンディングを利用するユーザーのほうが多いのではないだろうか。
また、クレジットローンなど身近なローンよりも低金利で借りられると分かれば、個人の消費生活の購入資金として活用する人も出てくるだろう。
ただし、ウェブで流失した個人情報などから「成りすまし」が出てこないとは限らない。借り手と貸し手が近しい人物で、結託して取引実績を積んでから、詐欺行為を働くケースも想定しうる。事件が1度でも起きれば、「やっぱりウェブでお金の貸し借りは怖い」というイメージをもたれてしまう。
そういった「事件」なしに、継続した取引の場が提供し、ユーザーの信頼を得られるか? 新しい市場を切り拓こうとチャレンジするMANEOのサービス開始後の動向が注目される。