現代は、こういった法制度と技術の両輪によって、著作物を公開しやすい時代だ。創作したい人が思い思いに表現し、それを安心して公開できる。それらの著作物がネットを通じていつも身近にあり、ネットにさえつながれば誰でも好きなときに無償で見られる。
創作→表現→公開→鑑賞→創作→……という創造的サイクルのなかで、最大のキーポイントは「公開」である。ヒトは、知的な頭で創作し、それを器用な手や口を使って表現する。それは憲法21条(条文)が「表現の自由」を保障するまでもなく、ヒトの本源的な営みである。また21条が同時に「言論・出版の自由」も保障するように、表現したものを人に伝えたり、多くの人に見てもらいたいと願うのも、社会的動物としてヒトの自然な欲求だ。
その際、大きな社会で著作物を公開する不安と躊躇を払拭し、安心して公開できるようにする仕組みが著作権法だ。それによって多彩な作品が世に送り出され、人々がそれを鑑賞し、新たな作品の創作につながっていく。
大公開時代。個々の表現を尊重し、互いを尊敬しあえる心の豊かな温かい社会であり続けることを願う。
筆者紹介─塩澤一洋
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「難しいことをやさしくするのが学者の役目、それを面白くするのが教師の役目」がモットーの成蹊大学法学部教授。専門は民法や著作権法などの法律学。表現を追求する過程でMacと出会い、六法全書とともに欠かせぬツールに。2年間、アップルのお膝元であるシリコンバレーに滞在。アップルを生で感じた経験などを生かして、現在の「大公開時代」を説く。
(MacPeople 2008年6月号より転載)









