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西田 宗千佳のBeyond the Mobile 第9回

新LOOX Uに見る「Atom」の真の実力

2008年09月22日 09時30分更新

文● 西田 宗千佳

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速度はメモリー不足に不満も

 気になるパフォーマンスだが、やはりCPUが変更された分、前モデルに比べると良好だ。同等のAtomを使った製品と、大きな差はない。ただし、OSがWindows Vistaである分だけ重く感じるのは事実だ。Windows エクスペリエンスインデックスの値は「2.8」。ボトルネックはチップセットであるSCHの内蔵GPUにあるが、CPUスコアも決して高いわけではない。

Windows エクスペリエンスインデックスは、Atom機相応の値

Windows エクスペリエンスインデックスは、Atom機相応の値。CPUとグラフィック性能が低めで、やはりVistaには荷が重い印象だ

 とはいえ、実際に動作している最中は、さほど遅さを感じるわけではない。遅さを感じるのは本体起動時と、アプリケーション起動時である。特に本体の起動は実測で2分20秒弱と、かなり長めである。

 このあたりは、搭載メモリー量が1GBと少ない点が効いているのだろう。LOOX Uが採用しているSCH「US15W」は当初、対応メモリー容量が1GBまでであった。現在は2GBまで拡張されているものの、LOOX Uの場合はメモリー拡張を前提とせず設計されているため、1GB以上のメモリーを搭載できない。

 またUS15Wは、現時点で正式にサポートしているOSが、Windows VistaとLinuxのみだ。そのためか、LOOX U向けにはXP用ドライバーが提供されておらず、「OSをダウングレードして使う」ことはできない。

 今では、同じAtom+US15Wを使ったパソコンを扱う他社で、XPのサポートを行なう動きがある。これが実現すれば、富士通の側からXPサポートが行なわれる可能性もゼロではない。現在LOOX Uに感じる不満は、メモリー増設かXPサポートのどちらかが実現すれば、解消される可能性は高いといえそうだ。

バッテリー駆動時間の計測結果

グラフ1 バッテリー駆動時間の計測結果。「BBench」を使い、10秒ごとにキー入力、60秒毎に無線LANを使い、ウェブへのアクセスを自動的に行ないながら、バッテリーが切れるまでの時間を計測した。省電力設定:動的CPUクロック制御、バックライト輝度3段階目。フルパワー設定:CPUクロック最高、バックライト最高輝度

オプションの「内蔵バッテリーパック(L)」

オプションの「内蔵バッテリーパック(L)」。公称約11.1時間のバッテリー駆動を可能とする

 なお、バッテリー駆動時間はグラフのとおり。標準添付の「内蔵バッテリーパック」でテストした。元々カタログスペックでも、バッテリー駆動時間は5.3時間(JEITA 1.0測定値)程度であり、結果としては妥当なところだ。倍のバッテリー容量を持つ「内蔵バッテリーパック(L)」を別途購入すれば、この倍は利用できるだろう。

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