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松村太郎の「ケータイが語る、ミクロな魅力」 第39回

iPhoneとSH906iから見るタッチパネルの必然性

2008年09月18日 13時00分更新

文● 松村太郎/慶應義塾大学SFC研究所 上席所員

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マルチタスクの切り替えにこそタッチパネルを

タッチパネルを使ったカメラ撮影。フォーカスあわせがあるため、シャッターこそ側面の物理ボタンだが、ズームや撮影設定にはタッチパネル上のボタンが利用できる

 横長画面で使うことが多い、カメラ機能、ワンセグのサムネイルからチャンネル選択、指でめくるデータフォルダなど、現在実装されている機能はどれもタッチパネルの方が使いやすいモノばかり。しかし、iPhoneと比較したときに、タッチパネルによるオペレーションが威力を発揮しそうなのは、これら複数の機能を同時に起動し、切り替えながら使うマルチタスクかもしれない。

 iPhoneは特定のアプリ以外はバックグラウンドでの操作を許可しておらず、一度ホームスクリーンに戻ってから目的の機能を探して起動し直す。もちろん分かりやすいが、慣れてくると多少のかったるさを覚える。

 一方、日本のケータイは、早い段階からマルチタスクに対応し、複数の機能を同時に立ち上げて、切り替えながら利用できるようになっていた。しかしほかの機能が同時に起動することや、切り替えて違うタスクを使うことはそれほど目立つ機能ではない。

 しかし、横長画面のタッチパネルによるオペレーションであれば、タスクの切り替えもある程度視覚的に感じることができ、同時に起動する機能を選ぶといった操作が容易にできるのではないだろうか。最近のケータイの多くは3型を超える大きなディスプレーを搭載しているので、同時にいくつかの機能を起動して、ディスプレーに並べ、操作する機能の選択にタッチパネルを使う、といった利用シーンも考えられる。

 便利だけれども複雑な機能を同時にこなす、あるいはよりケータイの賢さを引き出すような局面において、タッチパネルによるオペレーションを活かすチャンスは、これからさらに大きくなりそうだ。これまでの経験をデザインにどう反映するか、どのようなユーザーにリーチできるか。今後のシャープ端末に期待するところである。


筆者紹介──松村太郎


ジャーナル・コラムニスト、クリエイティブ・プランナー、DJ。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。ライフスタイルとパーソナルメディア(ウェブ/モバイル)の関係性について探求している。近著に「できるポケット+ iPhoto & iMovieで写真と動画を見る・遊ぶ・共有する本 iLife'08対応」(インプレスジャパン刊)。自身のブログはTAROSITE.NET



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