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松村太郎の「ケータイが語る、ミクロな魅力」 第38回

ドコモ使っていた 孫社長の絵文字戦略

2008年09月11日 22時00分更新

文● 松村太郎/慶應義塾大学SFC研究所 上席所員

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互換性を重視したデザインで好感度ナンバーワンを目指す

新デザイン絵文字では顔パーツや動物の顔文字も大幅に変更されている

 絵文字の扱いは、実は携帯各社によって違う。

 ドコモの絵文字は「文字」。端末の文字コードに組み込まれ、ひらがなやカタカナ、漢字や数字などと同じように扱われる。そのため線画のシンプルなデザインが採用されている。

 一方ソフトバンクやauの絵文字はアニメーションなども採用されておりイラスト的になっている。このように既存のケータイ事業者の間でも、絵文字に対する考え方が違うのだ。

 「ユーザー調査をしてみると、好みがはっきりと分かれていることに驚きました。意外だったのが、学生など若いユーザーが好きな絵文字は、装飾が少ないシンプルなものだったのです。ドコモの絵文字は文字を入力するように気楽に扱える使い勝手の良さで支持されていました。そのシンプルさを取り入れる方向性は意識しました」(朝倉氏)

 とはいっても、全ての文字で同じような手法を採るわけにはいかなかった。食べ物などの絵文字はあまりシンプル過ぎると表現力が失われてしまうからだ。

新デザイン絵文字でのこだわりを紹介する孫氏。「ハンバーガーはソフトバンクのものが一番おいしそう」と自信を見せる

 また、他社との互換性を意識するとしても、既存のソフトバンクユーザーとの整合性も保たなければならない。

 そこでデザインの方向性は変更する1文字ずつ細かくチューニングしたそうだ。意味やデザインの互換性を保った最適解のデザインを求めれば、必然的に「好感度ナンバーワン」の絵文字ができあがると同社は考えたのである。

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