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TechCrunch50でネットベンチャーのこれからを見る

来年大儲けするWeb2.0企業はここだ!(1日目)

2008年09月09日 23時36分更新

文● ALT Interactive

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Session 2:「Memes&News」
CGM・行動ターゲティングとニュースメディアの相克

LiveHitのデモの模様

LiveHitはグラフィカルなライブブックマークといった感じのサービス。その時点で盛り上がっているコンテンツを表示する。

 複数サービスのマッシュアップによる、UGC(User Genarated Contents)の進化の形を取ったサイトが多いことが印象に残った。例えば、オーマイニュースなどの市民メディアは、編集部と記者が一対一の関係にあったが、こういったサービスを利用することで取材テーマごとに仮想的な取材陣をくむことも可能になる。結果、記事の読者だけでなく、その執筆とメンテナンスに繰り返し関わるユーザーも視聴者としても有望になってくる。

 そのような環境では、最適化がこれまで以上に重要になってくると言えるだろう。特定の話題についてコミットする集団に対しては、広告も特定されたものが受け入れられやすい。またこの分野についてはジャーナリズムとコマーシャルとの相克が(広告表示が機能的であればこそなお)あることもディスカッションを通じて指摘されていた。


午後の審査員

午後のエキスパート陣も豪華である。Mark Andreesen(ネットスケープコミュニケーション共同設立者)、Marc Benioff(salesforce.com CEO)、Dan Farber(CNET副社長)、Yossi Vardi(イスラエル人投資家でICQに最初に投資したことで知られる)、Ash Patel(Yahoo.comオーディエンスプロダクト部門長)。


Session 3:「Enterprise」
この分野でも進む2.0化

 クリエイティブコモンズの考え方を、ソフトウェアに当てはめ更に詳細化したFairSoftware、Twitterのエンタープライズ版Yammerなど、Web2.0的な要素が業務に活用できる可能性を感じさせた。TwitterとIMがマッシュアップして、業務メールの代用もできるというのはなかなか魅力的な環境だと言える。

 広告モデルだけでなく、レベニューシェアや従量課金型など、マッチョな要素があるのもこの分野の魅力。日本から参加したOpenTraceは、製品の環境負荷をバーコードから追跡するというもの。Andreesenはじめエキスパートからの評価も上々だった。こういった「誰かがやらないといけないとわかっているけど、まだあまり手がつけられていない」分野は日本人に向いているのかもしれない。このチャレンジには拍手を送りたい。

Session 4:「Advtisement & Ecommerce」
広告やEコマースの分野ではどうなっているか?

Adgregate Marketsのデモ

Adgregate Marketsの提案は、広告を通じて他のサイトにアクセスが流出するのではなくバナー広告の中でEコマースの流れが完結するというもの。

 「Adgregate Markets」は、「ネット広告がなぜ元々のメディアからトラフィックを広告コンテンツに流出させるのか?」という根本的な疑問に答えるサービスで、バナー広告の中でその広告に表示されている商品の購入までを完結させてしまう。Webの世界で当たり前だと思っていることを疑ってみることの大切さを改めて感じさせた。



Twitterのアレが元ネタ

西海岸気質ということも手伝ってか、デモピットではお茶目な展示も多い。写真はTwitterのメンテナンス中に登場するクジラをネタにした絵はがき。

waget.jp

団扇のディスプレイが目を引く「waget.jp」のブースも、日本からの参加。OpenTrace同様、こういった日本からの参加者が増えれば、海外でも通用するサービスが生まれるきっかけとなるだろう。

筆者紹介──ALT Interactive

ALT Interactive

2008年設立。海外のWebサービスのスムースな日本導入をはじめ、インタラクティブ広告制作、マーケティングやインターフェイスについてのコンサルティングに加え、記事・書籍執筆といったオピニオン事業を行っている。

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