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ネットワークマガジン

帯域拡張+信頼性向上を低コストで両立

企業内で用いられるVPNを知る(1)

通信の特性に合わせて回線を変えるVPN

2008年09月24日 00時00分更新

事業拡大で浮き彫りになった通信インフラの課題を
Dual Active VPN で解決

 チェルシージャパン株式会社(以下、チェルシージャパン)は「チェルシー・プレミアム・アウトレット」のブランドで、アウトレットモールの開発・運営を行っている。2000 年7月に「御殿場プレミアム・アウトレット」を開業後、新規出店や既存店舗の増床に意欲的に取り組み、2008年には仙台市に「仙台泉プレミアム・アウトレット」を、2009 年夏には茨城県の阿見町に「阿見プレミアム・アウトレット(仮称)」を開業するなど、同社の事業は急速に成長している。

チェルシージャパン 武藤氏
チェルシージャパン株式会社 総務人事部長 武藤憲二氏

 一方でネットワークインフラに掛かる負担も増大していた。チェルシージャパンにおいて情報システムを担当している総務人事部長の武藤憲二氏は「当社が管理するお客様のクレジットカード情報が急増しており、セキュリティ管理をいかに強化するかが最大の課題でした」と語る。

 実は同社は、POSやクレジットカード決済のデータを扱う販売管理システムのサーバを各店舗ごとに設置していた。日々の売り上げ情報などは、閉店後にバッチ処理でデータセンタ上のサーバに伝送していた。こうした運用にセキュリティ面から課題を感じていたと、同社総務人事部のシニアマネージャーである金川一資氏は言う。

 「毎日、膨大な回数のクレジットカード決済を処理するため、各店舗にサーバを設置した方が早く対処できます。つまりお客様をお待たせしないことを前提にシステムを構築していたわけです。しかし一時的であっても、膨大なクレジットカード情報を各店舗で預かるのはリスクを伴います。さらに店舗数や店舗内のショップ数の増加に比例して、一度の操作ミスや機器障害によって失われるデータ量も大きくなっていたため、抜本的なリスク回避策を考える必要に迫られました」。

 さらに武藤氏は「各店舗では通常業務で植栽や看板といった施設管理、店内の混雑状況、降雪時などの周辺交通状況をデジタルカメラで撮影し、メールに添付して本社に報告を行っています。こうした業務におけるメールの利用頻度の増加に加え、店舗数の増加が重なり、店舗と本社をつなぐイントラネットの帯域が圧迫され、レスポンスが著しく低下していました」と説明する。

チェルシージャパン 金川氏
チェルシージャパン株式会社 総務人事部 シニアマネージャー 金川一資氏

 「セキュリティ強化」と「POSシステム全体の信頼性向上」、「ネットワーク帯域の増強」という3つの課題を解決するため、同社は各店舗のサーバをデータセンタに統合し、既存イントラネットを再構築する計画を立てる。ただ、クレジットカード決済ではリアルタイムのデータ処理が求められるため、各店舗とデータセンタ間のネットワークは高い信頼性と迅速なレスポンスが求められる。ダウンや遅延などの障害がネットワークに生じると、クレジットカード決済やPOSシステムの処理に支障をきたす上、待たされたお客様が買い物を中断するといった商機損失の恐れがあるからだ。

 従来、同社のイントラネットではNTTコミュニケーションズの「Arcstar IP-VPN」が利用されていた。「5年以上もの期間Arcstar IP-VPNを使い続けてきましたが、導入から現在に至るまでノントラブルで、ビジネスの生命線を支えるのにふさわしいサービスだと評価しています」と武藤氏が語るように「Arcstar IP-VPN」は強く信頼されていた。さらに今回は信頼性をレベルアップするためにネットワークの二重化が検討された。しかしながら「前提としてネットワークを二重化するために、従来の2倍もコストをかけるのは現実的ではありません(金川氏)」と、コスト負担を抑える方法を模索する必要があった。

帯域拡大と信頼性向上を
一気に実現できることから導入を即決

チェルシージャパンのネットワーク構成図チェルシージャパンのネットワーク構成図。「Dual Active VPN」の利用で信頼性と帯域の課題を解決した

 要望を満たすサービスが見つからず、ネットワークの二重化に踏み切れずにいたところ、タイミングよくNTTコミュニケーションズから新サービスである「Dual Active VPN」がリリースされた。サービス内容について説明を受けた同社は、即座に導入を決断したという。

 「これまで利用してきて高く評価しているArcstar IP-VPNを引き続き利用できる上、コストパフォーマンスが高いGroup-VPNをバックアップ回線に利用できることが魅力でした。しかもこれら2つのネットワークを常時利用でき、無駄がないことが決め手となりました(武藤氏)」。

 「たとえば基幹系データはArcstar IP-VPNを、情報系データはGroup-VPNと使い分けられるため、データ量の多い情報系データが基幹系ネットワークの帯域を圧迫することがなくなります。通信の安定とともに、結果的に広帯域が確保できるのは大きな魅力です。そして、基幹系ネットワークに障害が生じて情報系ネットワークに切り替わっても帯域が不足することもありません(金川氏)」

 このように信頼性向上と帯域の拡大を合理的に実現する「Dual Active VPN」は、同社の課題を一挙に解決 するサービスだったというわけだ。さらに「ルータの提供から面倒な設定、運用や管理までサービスに含まれており、導入しやすいこともDual Active VPNを選択した理由の1つでした(金川氏)」と、きめ細やかなサービスも高く評価されている。今後も同社のビジネスの生命線として、「Dual Active VPN」は大きな効果をもたらし続けるだろう。

 セキュリティの強化やPOSシステム全体の信頼性向上をインフラとして下支えし、さらにネットワーク帯域の増強を実現したこの事例は、「Dual Active VPN」の特徴を端的に示すものだろう。現状のICT環境に課題があるのであれば、「Dual Active VPN」の導入が解決策になる可能性は高い。

システムインテグレータ・ベンダーも選択!
“Dual Active VPN”の信頼性を高く評価したCEC

 株式会社シーイーシー(以下、CEC)は全国5拠点のデータセンタをサービス基盤に、IDカードシステムなどのセキュリティサービス、ICTソリューションを提供しているシステムインテグレータである。そのCECが不動産業A社から、事業継続に向け信頼性・安全性の高いネットワークを導入したいというオーダーを受けた。そこでデータセンタでの情報の集中管理とバックアップ回線の確保を検討した。下に書いたのがCECとA社のそれぞれの課題と要望である。

CECの課題と要望
●自社データセンタの強みを引き出す可用性の高いネットワークが必要
●ネットワーク等自社以外が提供するサービス部分の業務負荷を低減させたい

不動産業A社の課題と要望
●事業継続に向け、ネットワークの信頼性、安全性の向上
●拠点間でのメールや顧客データのやりとりが増加する中、簡単かつ安価に帯域 を増強したい
●顧客データ保護のため、ネットワークセキュリティを強化したい

 このようなA社の要望を受け、CECが選んだのが「Dual Active VPN」だ。CECはこのVPNについて低価格でブロードバンドのバックアップ環境を構築できる点や、マネージドルータもレンタル提供されており、運用・監視をNTTコミュニケーションズに委託できるという点を評価している。またA社は低コストでバックアップ回線も含めた信頼性の高いネットワークが構築でき、事業継続性を確保することが可能に。さらに広帯域化により、通信データの増加にも対応できるようになった。やはり安全かつ信頼できるデータセンタサービスには、それに相応するネットワークが必要だ。「Dual Active VPN」は、信頼性の高いデータセンタサービスを提供するシステムインテグレータやベンダーも支持するサービスなのである。

協力:NTTコミュニケーションズ株式会社

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