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さて、ファンの間で聖地巡礼の際に立ち寄る「大酉茶屋」という建物が神社の目の前にある。鷲宮町商工会が直営しているお食事処兼休憩所で、らき☆すたのキャラにちなんだメニューを出している。
ところがこの場所、そもそもは3年前に商工会会長の提案で、 「“鷲宮神社の門前町”としてのアイデンティティを取り戻そう」ということで、古民家を再利用して商工会の青年部の手で作られたものなのである。それがたまたま聖地巡礼の際の立ち寄り場所になってしまった。つまり、「らき☆すた」のアニメなど影も形もない頃から、町おこしの活動を地道に行っていたのである。そこにタイミングよく「らき☆すた」のブームが来たわけだけど、それでは鷲宮町は単に運が良いだけの市町村だったかというと、そうではない。
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たとえば、アニメの主人公がチョココロネを好物にしてるそうなのだけれど、商工会ではこれを名物として販売しようということになり、通常の4倍の大きさを誇る「メガチョココロネ」という商品を企画した。
わたしも坂田さんに教えていただいて、初めてチョココロネの作り方を知ったのだが、ロケットの先端のような円錐形の金型に、紐状にした生地を巻いて焼き上げ、そこに溶いたチョコレートを流し込むという手順を踏むものなのだそうな。で、鷲宮町のパン屋さんにメガチョココロネの企画を持ちかけたのだけど、肝心の金型がどうにもならない。普通の板金屋さんではどうしてもできない形状だったのだという。そこで坂田さんたちはどうしたかというと、間髪入れず伝手を頼って、 北島絞製作所に、金型の作成を依頼した。ここ、どういう企業なのかというとロケットの先端を作成している、その筋では有名な企業なのだ。こうして作られたメガチョココロネは通常の4倍量のチョコレートが入ってしまうということで値段は一個600円になってしまったのだが、ファンの間で大評判となり、瞬く間に売り切れるヒット商品となった。このようなフットワークの軽さが、町おこしを成功させた要因のひとつだと言っていいだろう。坂田さんにしても松本さんにしても、聖地巡礼の噂を聞いた新聞社が取材に訪れるまでは「らき☆すた」をまったく知らなかったそうなのだが、2ちゃんねるやら何やらでかなりの勉強をして、商品企画やイベント企画を立案したのだという。
坂田さんは最後に、 「これまでの商店街の振興策はターゲットは誰なのか、そして何を提供すべきなのかという意識が薄かった。いまさらですが、ターゲットを絞ることが重要であると、今回の「らき☆すた」による町おこしを通じて学びました」と仰っていたのだが、それは今という時代に生きて行う商業活動すべてに当てはまると感じた次第だ。
そんなところで今月のウェブ版はおしまい。それでは皆様、リニューアルするビジネスアスキーのほうでもお会いしましょう。
(名称・数字・肩書等は取材当時のものです)
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