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アキバで第弐回天下一カウボーイ大会開催!

21世紀的な文化のうねりはこれから──元セガの水口哲也氏が講演

2008年08月25日 20時06分更新

文● 西川仁朗/トレンド編集部

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午前10時スタートにも関わらず、会場は大盛況で300名近い参加者でぎっしりだった
休日の午前10時スタートにも関わらず、会場は大盛況で300名近い参加者でぎっしりだった。司会はユビキタスエンターテインメントの清水 亮氏と、サルガッソーの鈴木 健氏が担当

 24日、電脳空間カウボーイズ主催の「第弐回天下一カウボーイ大会」が秋葉原UDXギャラリーで開催された。カウボーイはコンピューターという暴れ馬を乗りこなすハッカーを意味する。学生や20代を中心とした若い約300名の観客が集い、カウボーイたちが自慢のロデオを披露した8時間にも及ぶ濃密な時間の中から、新旧の代表的なカウボーイのプレゼンを紹介する。

セガラリー、Luminesの水口氏が口火を切る

 午前中の基調講演を行なったのは、ゲームクリエイターとして知られる水口哲也氏。「セガラリーチャンピオンシップ」「Rez」「Lumines」といったゲームに関わってきた人物だ。

チャレンジングなゲームや音楽をつくり続けている水口哲也氏。「人間は欠けた部分を補完する能力を持っている。それがクリエイティブの源泉」と話す

 水口氏はバーチャルリアリティのおもしろさに目覚め、ゲームの業界に飛び込んだ。同氏の手がけたセガラリーでは、トヨタやランチアの本物のラリーカーが登場するが、これは極めて異例。当時はゲームメーカーが話を持ちかけても、門前払いされる時代だった。水口氏は「最初にトヨタに自分たちの映像を見せにいったとき、担当者の反応がそれまでとはっきり変わったのを覚えている」と語る。リアルな映像表現により、新しいメディアとしてゲームが認知され、常識を覆したのである。

スライドで表示された懐かしいゲーム機器
スライドで表示された懐かしいゲーム機器。水口氏がハマったのはAmigaのゲーム「ゼノンⅡ」だったそう

 その後、水口氏の関心はリアルを追求することに留まらず、インタラクティブ・エンターテインメントに移る。そこで生まれたのが、効果音が音楽になる気持ち良さを追求した「Rez」や、欧米で大ヒットし、クリエイターとしての知名度を世界的に高めた「Lumines」だ。そして、「自分がゲームに使いたい音楽がないので自分でつくろう」と考え、音楽ユニット「元気ロケッツ」が生まれる。

 元気ロケッツは「宇宙で生まれ、まだ地球に降りたことのない30年後の18歳の女の子Lumi」が歌うという設定でつくられたコンセプチュアル・バンドだ。2006年9月11日に、「Lumines ll」用につくられた元気ロケッツの「Heavenly Star」のPVを水口氏がYouTubeにアップした。あえて「9・11」事件の日に公開し、世界平和のメッセージを強く訴えたこの曲はクラブシーンを中心に火がつく。

 そのメッセージ性が評価され、翌年の7月には「LiveEarth」の東京の舞台に、ホログラム映像でライブを行なうまでになった。LiveEarthとは世界温暖化防止を訴え、世界7大都市で同日開催されたチャリティイベント。MSNで同時配信されたライブ映像は10億人以上が見たという。会場では、Lumiの紹介で、同じくホログラムになったアル・ゴア氏(前アメリカ合衆国副大統領)がステージに立ち、地球温暖化防止のためのメッセージを送った。

 水口氏は元気ロケッツを通じて、インターネットにおけるクリエイティブな世界の速度感やスケール感が増していることを指摘する。「昔は自分がゲームのためにつくった音楽がヒットするなんてありえないと思った。でも、いまはありえる。実際にPVをウェブで公開してから、1年も経たないうちにライブをやることになり、ゴア氏と競演することになった。ものすごいスピードの中で僕も皆さんも生きていることを意識してほしい」(水口氏)

 水口氏は自分が影響を受けた作品として、チャールズ&レイ・イームの映像作品「POWERS OF TEN」と、先日、スティーブ・ジョブズがスピーチで引用したカタログ「Whole Earth Catalog」をあげる。最後に以下のようなメッセージで講演を締めくくった。

 「新世紀に入って10年くらい経ってから本当の新世紀がくると言われている。19世紀も20世紀も、文化的な新しいうねりや変化がやって来たのはちょうど10年くらい経ってから。つまり、21世紀も2010年ごろにまったく新しいイノベーションが起きてくる。大切なことは、新しい視点の獲得は、新しい意識を生み、新しいクリエイティブを生むということ。これからの時代のクリエイターは、新しい視点をどれだけ獲得していけるかにかかっている」

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