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Atomで検証! 小型PCの実用性 第3回

Atomを極限まで活用! 静音性を活かした地デジPCとして使う

2008年08月27日 23時48分更新

文● 山田 広樹

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HD動画再生支援機能を搭載したビデオカードを使ってるんだから、
いっそBlu-rayも試してみよう

 地デジのハイビジョン視聴のために増設したHDCP対応ビデオカード。今回用意したRadeon HD 2400とGeForce 8500GTは、ともにフルHD動画再生支援機能を搭載している。これさえ、動画再生支援機能さえあれば、Blu-rayも観られるんじゃない?! (ちょっと残念な結果となったが)地デジ+Blu-rayなんてステキじゃない。実はワタクシ、私物でBlu-rayドライブを持っております。今回はこれでAtomのBlu-ray再生能力を確かめてみよう!

BHC-6316U2

BHC-6316U2

バッファローの製品紹介サイトで“在庫限り”とある、カタログ落ち寸前のシロモノ。いいんだよ。これでもBlu-ray観られるんだから。しかもHD DVDもOKだ。満足度はYAZAWA以上だ。どうだ。まいったか。買った当時は4万円弱もしたが、今では価格改定で定価2万9600円。Blu-rayも身近になりましたよ

再生ソフトは設定がキモ!

 Blu-ray再生にあたり、重要なのはビデオカード側の動画再生支援機能を使用すること。同機能を使用しない場合、クアッドコアCPUクラスでないと、コマ落ちなしの再生は難しい。いわんや疑似デュアルコアであるAtomをや。
 動画再生支援機能の使用は、再生ソフトで設定する。なお、同機能を使用すると、再生ソフトが独自に備えている画質向上機能の一部が使用できないことがある。画質の好みはひとそれぞれだが、ソフトの画質向上機能が好みの場合は、痛し痒しといったところか。

再生支援の設定

PowerDVD 7

1世代前の再生ソフトだが、まだまだBDドライブのバンドルソフトとして現役の「PowerDVD 7」の場合。設定画面を開き、映像タブで「再生支援機能(DxVA)を使用する」にチェックが入っているかを確認

WinDVD 9

「WinDVD 9」の場合。設定画面の「オーディオ/ビデオ設定」タブにある「ハードウェア デコード アクセラレーション使用」がチェックされているか確認。PowerDVDもWinDVDも、環境によってはデフォルトでこれらがチェックされていないことがあるので注意

いざ、再生! やはり……

 用意したBDドライブはUSB接続なので、セットアップもカンタン。早速再生したところ、やはりムリ! 1~2秒滑らかに再生されたかと思うと、がくんとコマ落ち。シーンによってはコマ落ちの時間のほうが長いほど。微妙に映像が観られるだけあって、ガッカリ感はかなり大きい。やっぱりAtomのパワーじゃダメなのか。HD動画再生支援機能を備えたビデオカードがあるのに、Blu-rayが観られない。残念至極。

結論。Atomでの地デジ視聴は

 かろうじて、地デジのハイビジョンが視聴できたAtomマシン。今回はOSにXP SP3を用いたが、Vista環境ではまともに動作しなかった、という報告もある。また、CPU使用率の高さや、スポーツ映像を中心にコマ落ちが発生したことを考えると、正直、実用には問題があると思われる。
 原因は明らかにCPUのパワー不足。もともと超低価格にフォーカスしたAtomを責めるのは酷だが、せめて地デジの問題ない視聴ができれば、と感じた。地デジの問題ない視聴ができれば、Atomの可能性は大きく広がる。それこそ今回の当初の目標のように、TB超級の格安HDDレコとして使えれば、まだまだ“くすぶっている状態”と言われる、地デジPC自作に一大ムーブメントを起こし、Mini-ITXのさらなる活性化にもつながる。超低消費電力にくわえ、無音動作も夢ではないほどの静音駆動。チップセット内蔵グラフィックの関係でビデオカードが必要なのは残念だが、それでも地デジ+Atomの魅力は色褪せないはずだ。先日、発表された真のデュアルコアAtomで、この問題が解決されることを祈りたい。

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