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高速処理とプラグインの採用でプロ向けソフトとしての地歩を固める

APR: Aperture 2.1

2008年08月25日 18時00分更新

文● 斎賀和彦

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2. Operation


レスポンスと操作性の向上により作業時間を短縮

 Apertureの役割は、RAWデータの現像と画像の管理だ。それも、一般ユーザーの水準ではなく要求の厳しいプロフェッショナルのレベルである。プロユーザーが特に求めるのは、主にスピードとクオリティーだ。

 スピードに関しては、RAWに含まれるプレビューファイルを利用することによって写真を表示するまでの時間が短縮され、あらゆる作業のレスポンスが向上した。また、3つの表示モードを瞬時に切り替えられるなど、使い勝手の向上による操作中の体感速度も大幅に上がった。Leopardによる画面表示能力の向上を受けて、グラフィックの表示速度も着実にアップしているのがうれしい。

 比較モード

APR: Aperture 2

「ブラウザとビューア」か「ブラウザのみ」モードで複数選択してフル画面に移行すると選択した写真が並んで表示される。編集メニューの「比較項目に設定」すると、一方の写真を固定したまま、他方の写真を切り替えて比較できる

 ルーペ

APR: Aperture 2

ルーペもより実用的に機能強化された。拡大対象をルーペとカーソルから選択して、サイズや拡大率をキーボードから自在に調整できる。ビューアーだけでなくブラウザー上の写真も同様に拡大できるのもポイント

 スピードは単に処理速度だけでなく、ワークフロー全体の問題でもある。テンキーだけで入力できるレーティングや、機能拡張と最適化が施されたライブラリデータベースおよび検索ロジックは、作業全体の高速化に貢献している。

 レーティング

APR: Aperture 2

レーティングは写真整理の基本だ。1~5の星マークと無印の6段階でレートを設定できる。ほかのソフトと異なり数字キーから直接レーティングも可能で、スピーディーに分類/整理できる

 キーワード

APR: Aperture 2

高速な検索処理が可能。キーワードは複数の写真に対していくつでも同時に付加できる。検索時は、変数に組み込まれた論理演算子を使った精度の高い複合検索を行う

 時系列に写真をグループ表示するスタック機能や、画面全体に写真を並べて選択できるライトテーブルは、アナログ感覚での操作性を実現する。アップルの考える「速さ」が、細かい点にまで行き届いているのがよくわかる。

 ライトテーブル

APR: Aperture 2

ライトテーブルは、写真の比較や選択に有効。写真のサイズを変更したり、正確に整列させたりできる。応用して、美しくレイアウトした写真をそのままプリントアウトするのも効果的な使い方だろう

 スタック

APR: Aperture 2

似たカットを多く撮影すると、閲覧時にスクロール作業が多くて面倒なときもある。「スタック」を使えば、撮影の時間軸を自動に設定したり、編集時に増えるバリエーションをひとつにまとめたりできる


(次ページに続く)

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