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Windows Home Server日本語版 正式に発表

2008年08月20日 18時40分更新

文● 小西利明/トレンド編集部

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「Endeavor SV110h」を手にするマイクロソフトの林憲一氏

Windows Home Server日本語版をプレインストールしたエプソンダイレクトの「Endeavor SV110h」を手にする、マイクロソフト Windows Server製品部 マネージャーの林憲一氏。これ以外にも、小型静音化された製品がいくつか登場した

 マイクロソフトは20日、家庭向けサーバーOS「Windows Home Server」(WHS)の日本語版を発表した。2007年9月に英語版で登場したものの日本語版で、管理ツールなどが日本語化されている。PCパーツショップ等でDSP版として販売されるほか、WHSをプレインストールしたホームサーバー製品も各社から発表されている。製品の発売は30日の予定。

Windows Home Server日本語版の主な特徴

英語版に遅れること約1年で登場した「Windows Home Server日本語版」の主な特徴

 WHSはサーバー向けOS「Windows Server 2003」をベースに、家庭でのファイル・コンテンツ共有やバックアップに機能を絞って操作を容易にした、ホームサーバー専用OSである。英語版は1年ほど前に発売されており、今回発表された日本語版は、英語版に機能拡張+修正モジュール(Power Pack 1)を組み込んだものを、日本語対応したものである。

WHSはリモート管理ツールによる遠隔管理が基本

WHSは写真の「リモート管理ツール」による遠隔管理が基本。サーバーマシン自体にはディスプレーもキーボードもいらない。WHSと接続されているクライアントのOSやセキュリティー状態も把握できる

 WHSでは家庭内やリモートアクセスでのファイル・コンテンツ共有や、家庭内のパソコンの自動バックアップ機能が提供される。主な機能は以下のとおり。なお、詳細な解説は関連記事を参照していただきたい(記事は英語版のものだが、提供される機能は同じ)。


WindowsパソコンやXbox 360などとのファイル共有
WHSのストレージをネットワークHDDとして、パソコン側のエクスプローラーからファイル保存・参照したり、Xbox 360のWindows Media Connect機能でコンテンツを再生できる(10台まで)。
DLNAサーバーとの互換性も備えるので、DLNAクライアントに対するコンテンツ配信も可能。
パソコンの自動バックアップ
LAN内のパソコン10台までを、自動でバックアップする。HDD全体のバックアップが可能で、HDD全体やファイル単位で復元できる。
重複するデータはコピーしない機能(シングルインスタンスストレージ)を備えており、バックアップデータのサイズを節約している。
パソコン側には「Windows Home Server Connector Software」(WHSに付属)をインストールする必要がある。
ダイナミックDNSによるリモートアクセス機能
Windows Liveサービスの1種「Windows Liveカスタムドメイン」によるダイナミックDNSを利用して、自宅のWHSにリモートアクセスを行なう。
ウェブブラウザーによる共有フォルダーアクセスのほか、クライアントパソコンに対するリモートデスクトップも利用可能
クライアントパソコンに対するセキュリティー管理
Connector Softwareを導入したクライアントパソコンの、ファイアウォールの設定やアンチウイルスソフトの動作状態を監視。問題があれば警告する機能。
リモートでのメンテナンスはできない。
異なるHDDをひとつのドライブとして扱う「ドライブエクステンダー」機能
WHSを実行しているコンピューターに接続されたHDDを、容量やインターフェースの違いを問わずに単一のドライブとして扱う機能。外付けHDDでも可能。ファイルをミラーリングで複製して、破損から保護する機能も備える。

WHSの共有フォルダーをVistaパソコン上から参照

WHSの共有フォルダーを、Windows Vistaパソコン上から参照している様子。各フォルダーにはユーザーアカウント別のアクセス制御をかけていて、自分以外のフォルダーの中身は見られない

WHS内のコンテンツはXbox 360でも再生できる

WHSで共有されている写真や音楽は、Xbox 360のMedia Center Extender機能でも再生できる

 これらの機能の中でも、強調されていたのがバックアップ機能だ。サーバーから随時、クライアントのバックアップを行なうという機能は、既存のホームサーバー製品にはない特徴である。

管理コンソール上で、クライアントのバックアップ状態を確認

管理コンソール上で、クライアントのバックアップ状態を確認したところ。バックアップは差分だけを足していく方式なので、必要なストレージ量を抑えられる

 また、ドライブエクステンダーによる手軽なHDD拡張とミラーリングによるデータの保護は、家族やイベントの写真など、無くなっては困るデータを保存するホームサーバーにとっては重要な利点と言えそうだ。

ドライブエクステンダーのデモ

USB接続した外付けHDDを、「ドライブエクステンダー」でデータ用ドライブに組み込むところ。RAID 1のように同容量のHDDでなくてもかまわない

リモートアクセスのデモ

リモートアクセスを利用して、インターネット経由で共有された写真を参照している様子


WHS搭載マシンも各社から登場

 WHS日本語版の発表と同時に、エプソンダイレクトやマウスコンピューターなどから、WHSをプレインストールしたホームサーバー製品が発表されている。常時可動するホームサーバーということで、静音性や設置スペースを考慮した小型マシンが少なくない。

Endeavor SV110h

「Endeavor SV110h」(横置き状態)。価格は7万9800円から

 例えばエプソンダイレクトの「Endeavor SV110h」は、同社の小型静音デスクトップパソコン「Endeavor ST110」の筐体をそのまま利用している。それにより、幅75×奥行き185mm(縦置き状態)と、非常に小さなフットプリントを実現している。

 また、同日開催された記者説明会の会場には、日本未発表のデルのWHS搭載マシン「PowerEdge T105」(筐体はタワー側パソコン)も出展されていた。

PowerEdge T105

ミドルタワーの筐体を採用したデルのWHS搭載マシン「PowerEdge T105」

サイコロPC

WHS搭載マシンの中には、PDXジャパンの「サイコロPC」をベースにしたこんな変わり種も

 なお、WHS日本語版単体のパッケージ販売は予定されていない。プレインストールマシンか、マザーボードやHDDなどとセット販売されるDSP版のみでの提供となる。

 WHS日本語版の詳細については、後日改めてご紹介する予定である。

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