異色の存在Atom
現行製品のノートパソコンに搭載されているCore 2 Duo/ExtremeとCeleronは、いずれもCPUアーキテクチャーにCoreマイクロ・アーキテクチャーを採用したものだ。その特徴はデスクトップと同様に、電力効率とCPUの同時命令実行数(IPC)の向上にある。
一方のAtomプロセッサーは、低価格パソコンやUMPC、携帯型インターネット端末向けに開発された、新しいアーキテクチャーを採用している。Core 2 Duoと比べてトランジスター数を大幅に減らし、消費電力と価格を下げている。動作クロック周波数も低めで、性能はかなり下回る。詳細は関連記事を参照のこと。
各CPUが対象とするカテゴリー
大雑把に分けて、Core 2 Duoは一般的なノートパソコン向けで、Celeronはローエンドパソコン向け、Atomは10万円以下の低価格ノート向けに分類される。
これらのほかに、ノートパソコン向けのPentium Dual-Coreプロセッサーも存在する。しかし本稿執筆時点では、日本で販売されている製品でこれを採用したものは極めてまれなため、今回は割愛した。
ノート向けでは、デスクトップ向けのようなクアッドコアCPUはまだない。同じアーキテクチャーで、シングルコア版の「Core 2 Soloプロセッサー」も存在したが、2008年に登場したノートで、これを採用する製品は見あたらない。
なお、CeleronやAtomはシングルコアCPUである。
ほんの1年ほど前までは、家庭向けノートの多くがCPUにCeleronを選択していた。しかしWindows Vistaは、高い処理性能を持つマルチコアCPUでなければ快適とは言い難いOSなので、Celeron搭載機の比率は大きく減少。Core 2 Duoへの移行が進んでいる。