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[非公認] Googleの入社試験、の著者に聞く

グーグルの入社試験に挑戦だ!

2008年08月08日 09時00分更新

文● 西川仁朗/トレンド編集部

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プラスアルファの頭の良さが評価される

竹内 薫氏

著者の竹内 薫氏。「グーグルは絶対に問題を解いてやるという強い意志を持っている人が欲しいんだなと感じられます」とのこと

 では、具体的にグーグルが求める人材を知るため、入社試験の傾向を竹内氏に聞いてみた。同氏は「専門知識にプラスアルファの要素が求められている」と述べる。

 「まず、高度な数学の素養が求められます。さらに数学だけでなく、物理学の要素も非常に高いレベルで含まれている問題が多いです。一見すると発想のユニークさを問う問題が多いと思わせるんですが、単におもしろい発想だけではダメ。広範な専門知識に裏打ちされた正しい解答にたどり着いた上に、それらを壊してまったく違うユニークな視点を持っているかどうかを問うているのでは」(竹内氏)

 冒頭で紹介した、「体が10円玉のサイズになって、ミキサーに入れられる絶体絶命のピンチに陥ったときにどうする?」といった問題を例に竹内氏に解説してもらった。

 「この問題は、物理学の常識であるスケーリングと言われる分野の知識が必要とされています。スケーリングの有名な例題で、アリの身長が10倍になったらどうなる、という問題があります。そこから考えれば身長が10倍になると、体積は1000倍(3乗)で、表面積は100倍(2乗)。生物の身体の強度は表面で決まるので、この問いは密度を保ったまま、質量が小さくなるところがポイントなんです。小人になっても、密度は一定なので筋力はそれほど衰えませんが、質量が小さくなっています。つまり、単にミキサーの中からジャンプして外に逃げれば良い、というのが模範解答になります」(竹内氏)

 先生、文系の僕には難しいです(泣) でも、「ノミは自分の身長の何倍も跳べますけど、人間だってノミのサイズになれば跳べますよ」という言葉でなんとなく理解したフリをする。

 本書で「現役IT技術者」は次のようなユニークな解答を行なう。「体が急激に圧縮されたときに発熱するから、その熱でミキサーを割る」。竹内氏はこの解答を「物理学的にも必ずしも間違っているとは言えないし、発想の鋭さが評価されるのでは」と述べる。単に正しいだけではなく、柔軟な頭脳を持つ人材かどうか見極められているのである。

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