このページの本文へ

Flashと比べないで!――SilverlightがRIAの本命だ (2/3)

2008年08月08日 10時39分更新

文●二瓶 朗、小橋川誠己/ASCII.jp

  • この記事をはてなブックマークに追加
本文印刷

デザインとプログラムを「分離」するSilverlight


 ごく小規模なケースを除き、Webアプリケーションの開発はデザイナーとエンジニアによる「協業」になる。しかし両者に求められるスキルセットが異なるため、現実には「デザイナーと開発者は話す言葉が違い、手法も違うので協業は難しい」(朝岡氏)。

 そこでSilverlightは、デザインとプログラム(ロジック)の「分離」を強く意識して設計されている。Silverlight 1.0のアプリケーションは、XMLベースのマークアップ言語「XAML(Extensible Application Markup Language)」とJavaScriptで構成されており、XAMLでアプリケーションの見た目(デザイン)を、JavaScriptで振る舞い(ロジック)を定義するWebアプリケーション開発のスタイルをそのまま取り入れている。


分離・連携が生み出すメリット――変わるWebアプリの生産体制


 デザインとプログラムはファイル構成だけでなく、開発/デザインツール群も分離されている。マイクロソフトがSilverlight開発用に提供するツールは大きく分けて「Visual Studio 2008」と「Expression Studio 2」の2つ。Windowsアプリの開発環境としてなじみ深いVisual Studio 2008は、Silverlight開発ではXAMLやJavaScriptのコーディング、デバッグに利用する。一方のExpression Studio 2は、デザインやアニメーション作成を担う。


Silverlight

Silverlightはデザインとプログラムを分離しながら、2つのツール間で連携して開発する


 Expression Studio 2は、Webオーサリングツール「Expression Web2」など5つで構成されるスイート製品だが(下の表を参照)、このうちSilverlight開発の中心となるのは、RIAオーサリングツールの「Expression Blend 2」だ。Blend 2は、GUIでXAMLを記述できるため、デザイナーにとってハードルが低い。Visual Studio 2008との連携が可能で、デザイナーと開発者間で同じXAMLファイルを共有し、開発者が書いたXAMLをデザイナーが編集したり、逆にデザイナーが編集したXAMLを開発者側に反映させたりするのも容易だ。

 分離・協業によってアプリケーションの生産性向上を狙えるだけでなく、大規模なアプリケーションの開発というメリットも視野に入ってくる。“映像配信 ”や“アニメーション表現”を超えた可能性を切り開くのが、「協業」というキーワードなのだ。


Expression

「Expression Studio 2」のラインナップ。「Expression Design 2」以外は単体購入も可能だ



(次ページに続く)

この連載の記事

一覧へ

この記事の編集者は以下の記事をオススメしています