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夏期集中ワンランクアップセミナー

徹底攻略! ハードディスク

2008年08月04日 18時00分更新

文● 池田冬彦、倉田吉昭、MacPeople編集部

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SDDやフラッシュメモリーが世間を騒がしているとはいえ、Macを使ううえでまだまだ切っても切れないハードディスクとの付き合い。この夏、ハードディスクの知識を一気に詰め込んでより便利に活用していこう。[初級編]でベースとなる基礎をおさらいしたら、より実践的な[中級編]、ちょっぴりマニアックな[上級編]へと進んでいくといい。最後の[カタログ編]では実用性やユニークさを備えたお勧めアイテムを掲載しているので、そこから読み始めるのもアリだ。

HDD


CONTENTS:


初級編:最初に覚えるハードディスクの基礎知識



ハードディスクの基礎知識

ハードディスクは精巧な磁気記憶装置

 ハードディスクは、OSやアプリケーションだけでなく、ユーザーが作成したファイル、システムが随時作成する仮想メモリーのファイルやキャッシュなど、あらゆるデータを読み書きする重要な記憶装置だ。寿命が近づくとシステム全体が不安定になることがある。使用頻度や環境によって差があるが、ハードディスクの寿命は3〜5年といわれる。

 ハードディスク購入の際、注意すべきスペックはそれほど多くない。

ディスクユニットの主な仕様
容量 保存できるデータの最大容量を「GB」(ギガバイト)または「TB」(テラバイト)で示し、数字が大きいほど大容量となる。ファイルシステムが利用する領域ぶん減るので、実際に記録できる容量は若干少なくなる
物理インターフェース 一般的にPATA(パラレルATA)またはSATA(シリアルATA)のいずれか。内蔵ドライブとして使う場合は、装着するマシンのハードディスクインターフェースと同じものを選ぶ
回転速度 プラッターの回転速度で、1分あたりの回転数を「rpm」(回転/分)で示す。回転数が大きいほど同時にたくさんのアクセスを効率よくこなせる。一般的には7200回転/分や5400回転/分のものが主流だが、サーバー向けには1万回転/分以上のものも使われている
平均シークタイム 目的のデータにアクセスするまでの時間をms(ミリ秒)で示し、値が小さいほど高速となる。一般的なシークタイムは8〜12msほどだ
バッファーサイズ(キャッシュサイズ) データの書き込みや読み込みに際し、データを一時的に蓄えてディスクアクセスの物理的な遅延を吸収するためのメモリーサイズのこと。ドライブの構成や物理性能に応じて、最適なキャッシュサイズが設定されている
製品の主な仕様(外付けドライブの場合)
インターフェース 非内蔵タイプの製品をマシン本体と接続するためのインターフェースの種類。USB、FireWire(400/800)、eSATAがある。なおNASの場合、100Base-TXや1000Base-Tのイーサネットインターフェースを備えている
電源方式 3.5インチ外付けタイプではAC電源内蔵型、またはACアダプターによる電源方式が主流。2.5インチタイプでは、USB/FireWireから電源を供給するバスパワー方式の製品もある
フォーマット 製品出荷時のファイルフォーマット。一般には「FAT32」というWindows向けフォーマットが多く、Macで読み書きはできるが制約があるため、OS Xの標準フォーマットである「HFS Plus」でフォーマットし直す必要がある
ハードディスクの代表的なスペック。購入時に主に注意すべき項目は容量と対応するインターフェース。外付けタイプの場合、それに電源方式を加えた3つだ
(1) アクチュエーター 磁気ヘッドのアームを正確に、そして高速に移動させる
(2) プラッター データを記録するための円盤。アルミ製のものが多いが、ガラス製のものもある
(3) スピンドルモーター プラッターを1分間に5400〜7200回転と高速駆動する
(4) 磁気ヘッド プラッターに対してごく至近距離でデータの読み出し、書き込みを行う
(5) インターフェース PATAもしくはSATAでマシン本体や外付けハードディスク内部やMacのロジックボードに接続する
3.5インチハードディスクの内部。このように、ハードディスクは可動部分が詰まった精密機械のため、衝撃には弱い。最近は衝撃対策の機能を備えた製品も多いが、慎重に扱いたい

 サイズは大きく分けて3つあり、Mac Proのようなデスクトップ型は3.5インチ、MacBookシリーズなどのノート型は2.5インチ、MacBook Airでは1.8インチが使用されている。一般的にこのインチ数はユニット内部の「プラッター」の直径に基づいており、容量はプラッターの密度や数が多いほど大きくなる。しかし、規定の高さの中でプラッターの数を増やすには限界があるので、現在はヘッドの記録方式の改良や磁性面の密度の向上について研究が進められている。市販されているハードディスクの最大の容量は、3.5インチが1TB、2.5インチが500GBだが、将来的には3.5インチで2TB以上の容量の製品も登場するだろう。

 主流のインターフェースは、「SATA」と「PATA」の2種類で、現行機種ではMacBook Airを除きすべてSATAだ。交換の際はこれらの点を所有マシンのスペック表で確認しよう。


ハードディスクの種類は3つ 増設には「外付け」が一般的

 ハードディスクユニットのみの状態は「ベアドライブ」とも呼ばれ、ハードディスクは、このベアドライブをマシンにセットして利用する内蔵型と、ケース内にベアドライブと電源、インターフェースを納めた外付け型、外付け型にCPUやメモリーを実装し、サーバー機能を追加したネットワーク型の3種類がある。

 内蔵型はMac Proなら最大4台を増設できるが、ほかのマシンは1台しか搭載できない。外付け型は、デスクトップ据え置き用や、携帯性に優れた2・5インチタイプなど種類も豊富だ。ネットワーク型は「NAS」(Network Attached Strage)とも呼ばれ、「ファイルサーバー」として利用することが多い。このため1TB以上の製品が主流で、4TBもの容量を持つ製品やRAID対応の製品もある。

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【内蔵型】マシンに直接取り付けるタイプ。大きさは1.8/2.5/3.5インチでそれぞれ統一されている。ユニットの厚みは1.8インチは5mmと8mm、2.5インチが9.5mm、3.5インチが20〜26mm程度が多いが、例外もある

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【外付け型】ケーブルでMacに接続するタイプ。インターフェースはUSBが主流だが、FireWireやeSATAもある。静音性や放熱性に優れたものなどケースの特性もさまざまで、目的によって選べる

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【ネットワーク型】LANに接続し、主にサーバーとして運用する。外付けタイプとほとんど大きさが変わらないものから、複数のベアドライブを格納できる大型タイプまである


(次ページに続く)

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