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柴田文彦の“GUIの基礎と実践” 第10回

柴田文彦の“GUIの基礎と実践”

発展し続ける「ウィジェット」

2008年08月06日 18時00分更新

文● 柴田文彦

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ウィジェットとガジェットの違い

 MacもWindowsも、最新のOSには、通常のアプリケーションとはさまざまな点で異なったミニアプリケーション実行環境を備えている。言うまでもなく、MacはDashboard、Windows Vistaでは「サイドバー」がそれだ。

 各環境の上で動作するソフトは、Macでは「ウィジェット」、Windowsでは「ガジェット」と呼ばれている。名前の違いが何かを象徴しているということはなく、ほとんど同様のものと考えられる。いずれも一般のソフトやウェブアプリケーションに対して補助的な機能を発揮するものが多く、GUI環境の彩りとして両OSの使い勝手にそれなりの影響を及ぼしている。

 両者にはハッキリした違いもある。最も大きく異なるのは、Dashboardは普段は表示されずキーやマウスの操作によって切り替えるのに対し、サイドバーはその名の通り画面の横に位置するバーに常に表示されていることだ。前者は必要なときだけ、さっと取り出して操作できるので邪魔にならないが、何かの状態を常に表示しておくといった用途には向かない。後者はこれとまったく逆の特徴を持っている。

 一方、システムにインストールされているものがすべて動作状態にあるのではなく、必要なものだけを選んで表示する点は共通している。単機能であることを基本としつつも、発揮する機能によって自らの表示領域を拡張、もしくはほとんどが何らかのカスタマイズ機能を内蔵しているという点も共通の特徴と言える。

実行環境の設定

Mac vs Win

【Mac OS X Leopard】Dashboardは、システム環境設定の「ExposéとSpaces」で設定する。マウスポインターの画面コーナーへの移動か、ファンクションキーで起動する

Mac vs Win

【Windows Vista】「サイドバーのプロパティ」では、最初からサイドバーを起動するかどうも設定できるが、名前が示すように、位置は画面の左右のいずれかしか選べない


管理/追加

Mac vs Win

【Mac OS X Leopard】Dashboard画面左下の「+」ボタンで表示するウィジェットバーから、実際に使うものだけを選択できる。さらに「ウィジェットの管理」機能で動作のオン/オフなども設定可能

Mac vs Win

【Windows Vista】サイドバー上部の「+」ボタンで、使用可能なガジェットの一覧を呼び出せる。選んだものはサイドバーに表示できる。サイドバーから削除するには、各ガジェット右上の「×」ボタンをクリック


表示の拡張

Mac vs Win

【Mac OS X Leopard】発揮する機能によって表示面積を変えるウィジェットもある。「iCal」は、日めくり、1カ月カレンダー、iCalイベントチェックの3つの機能に応じて伸縮する

Mac vs Win

【Windows Vista】ガジェットは、サイドバーの中と、サイドバーから引き出してデスクトップに置いたときで、面積が変わるのが一般的。合わせて機能も拡張する


カスタマイズ

Mac vs Win

【Mac OS X Leopard】ウィジェットごとに設定が必要な項目は、ひっくり返すようにして表示するウィジェットの裏面に配置されているという、直感的な構成だ

Mac vs Win

【Windows Vista】各ガジェットの右上2番目にあるスパナのマークのボタンをクリックすると、設定用のダイアログが表示される仕組み。設定項目の量によってダイアログの大きさを調整できる



(次ページに続く)

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