CSRを単なるコスト負担と考えると損だ
環境や人権、地域社会に配慮するCSRの活動は、一見すると企業にとってコスト負担になるように思える。しかし、実際は前述のSRI含め「その逆」だと古賀氏は語る。
「たとえば、温室効果ガス削減への対策として、省エネや省資源、生産する製品の軽量化、材料のリサイクル活用、SCMの効率化などを通じて、事業のコストダウンに直接つなげることができるほか、研究開発や技術革新が促進されるからです。結果的に企業価値の向上につながり、資本市場、つまり株主から評価されることになります」(古賀氏)
さらに、CSRを重視することで、社員1人1人に「社会的な責任を果しているか」という問題意識を植え付けることにもなる。すると、産地偽装などの不正も早い段階で社内通報制度などによって発見できたり、事前に防いだりすることができる。CSRはリスクマネジメントにもなるのだ。総じて、古賀氏は「CSRを重視する企業は結果的に、企業イメージやブランド価値向上にもつながる」と言う。
- ■取材協力
日本総合研究所
(次ページ、「事例・セールスフォース・ドットコム取材」へ続く)
この連載の記事
-
第7回
ビジネス
世界のカネ余り現象と怖い日本の将来 -
第6回
ビジネス
内部統制で遊ぼう -
第4回
ビジネス
AQUOSケータイから見た中国ビジネス -
第3回
ビジネス
原油高 おさえておきたい基礎の基礎 -
第2回
ビジネス
合併や買収は、弱い社員の敵なのか!? -
第1回
ビジネス
忍び寄る正社員クライシス! -
ビジネス
経済予備校 -
ビジネス
経済予備校 - この連載の一覧へ