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有力キャリアトップが語る

ケータイの進化の行方 ワイヤレスジャパンで見た未来

2008年07月24日 23時00分更新

文● 西川仁朗/トレンド編集部

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 7月21日から幕張メッセで開催されている「ワイヤレスジャパン2008」。「モバイル通信サービス事業の将来ビジョン」のテーマで、各キャリアトップが自社の戦略について語った。今後注力していく「次世代高速通信」と「モバイルサービスの向上」に関して、各社は何を考えているのか?

LTEで新たなサービスが生まれる

 各キャリアのトップが力強く語ったのが、下り最大速度100Mbpsと、高速な通信を可能にするLTE(Long Term Evolution)についてだ。

NTTドコモ 代表取締役社長 山田 隆持氏

NTTドコモ 代表取締役社長 山田 隆持氏

 NTTドコモでは2007年7月より実験を開始しており、2009年末を目標に商用装置の開発を完了させる。NTTドコモ 代表取締役社長 山田 隆持氏によると「2008年2月の実験では、屋外で下り250Mbps、上り50Mbpsの伝送速度を計測しており、地域も3Gエリアにオーバーレイする形で徐々に広げていく予定。端末は3G/Super3Gのデュアル端末になるだろう」とのことだ。

NTTドコモのSuper3G(LTE)の開発スケジュール(左)とSuper3G(LTE)導入の効果(右)

 同じくソフトバンクも、2010年前半にはLTE対応の基地局を全国展開するため、1.5GHzの周波数免許を申請予定。将来的はLTEにアップグレード可能なものを選択していく。ソフトバンクはLTEが本格的にユーザーに普及するのは2012年頃になると考えている。しかし、それまでに出す端末を3Gのデュアル端末にすると、コストが高くなってしまう。ソフトバンクモバイル 取締役副社長 松本 徹三氏は「ユーザーにとって何が最良の選択か考えるべき。ネットワークの事情で端末コストを高くすることはユーザーにとって望ましくない」とユーザー視点の重要性を主張する。

 KDDI 代表取締役社長兼 会長の小野寺 正氏は、「技術はCDMAからOFDMA+MIMOの時代になる」と語る。KDDIは複数の無線波を使用するOFDMAと、複数のアンテナで帯域を広げるMIMOを合わせることで、無線周波数の利用効率を向上させていく。小野寺氏は「今後ますますビット単価を下げていく必要がある」と強調していた。

 LTEの導入効果は高速化のみではない。接続時間/伝送遅延の短縮と大容量化によって、端末にインストールせずに、サーバー上でアプリケーションを使用することも可能にする。ここから、新たなサービスが誕生していくのだろう。

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