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レイアウトソフト

レビュー:QuarkXPress 8 日本語版

2008年07月29日 18時00分更新

文● 諫山研一

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日本語組版機能を強化して過去最強のアップデートを実現


Quark 【SPEC】
開発/販売元●クォークジャパン(株) 価格●9万7650円(通常版)、3万2550円(アップグレード版) 
http://japan.quark.com/

対応システム●OS X10.4以上(Leopard対応) 対応機種●Power PC G4以上、またはインテルCPUを搭載したMac

【COMMENT】
旧バージョンとの互換性を保ちつつさまざまな新機能を追加。前バージョンは使いものにならなかったが、問題点をしっかり解消している。


 「QuarkXPress」は、OS 8が主流であった時代からDTP市場で普及していたレイアウトソフトだ。本バージョンではインターフェースが刷新され、より直感的に操作できるようになるなど大幅に進化を遂げた。

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直感的に操作できるインターフェース。ウィンドウを最大16分割して表示できるほか、選択している画像の解像度をひと目で確認可能だ

 まず注目したいのは、日本語組版機能が強化された点だ。日本語組版独自のグリッド方式に対応し、従来のバージョンではネックだった縦書き組版でも簡単に作業できる。

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縦書きでもグリッドシステムを使用できるようになった。各ボックスに個別のグリッド設定を適用する機能も追加された

 また、句読点や行ずれの原因となっていた行頭ルビをボックスの外に表示するようになったほか、各ページをサムネール表示できるなど細部にわたる点まで改善されている。

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行のずれを引き起こす原因となっていた行頭のルビも、最新版ではボックスの外に表示できる。「スタイル」メニューの「ルビ」画面ではルビ揃えや配置の設定も可能だ

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画面左下の「▲」ボタンを押すと、ページのサムネールが表示される。複数ページをひとつのドキュメントにまとめているとき、管理するのに便利だ

 海外とやり取りするのに必要なパスポート版を用いることなく、日本語版以外で作成されたドキュメントの編集/出力できることも重要なポイントだ。さらに、旧バージョンのドキュメントを開いた場合、ボックスの動作が旧バージョンに準拠することも特筆すべき点。過去のドキュメントを扱いたい場合でも高い互換性を保っているので、安心して使用できる。

 Quarkといえば高価なソフトであったが、最新版は「Adobe InDesign」と同水準の価格だ。使い勝手や操作性も改良され、ユーザーの期待を裏切らないアップデートを果たしている。


(次ページに続く)

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