購入までに16時間
午前5時、前日の朝10時からフル稼働だったという西川がダウン。6時になっても目を覚ます気配がない。対して筆者は7時からの販売開始イベントを取材するため、そっと列を離れた。
メシも食わず、トイレにも行かなかった屈強な西川がついにダウン |
いろいろ波乱含みのiPhone販売開始イベント(関連記事5)が終わり、筆者は原稿をまとめるためそのまま帰社した。西川もあとは購入するだけだし、そう時間もかからないのではないか、と思ったからだ。
混乱を極めたオープニングイベント |
だが、帰社途中に筆者のケータイにかかってきた西川の弱り切った声はいまも耳に残っている。「あのー、どうやら1人の手続きに30分ぐらいかかるらしいんですが、僕の順番は800番ぐらいらしいです。で、受付カウンターが70ヵ所ぐらいで、計算すると買えるの午後になるかもしれません……」。それはもう、讃岐うどんというよりは、極細ビーフン的な声質であった。
行列の延べ人数は明らかにされていないが、一部報道では1500人と言われている。そして、西川から「購入できました!」と電話があったのは15時36分。結局、受付開始から8時間半、トータルで約16時間も並んでいた。
筆者が帰社した後が地獄だったらしい。直射日光でかなりの暑さだったとか |
その間、7月の照りつく太陽に焦がされ、半分グロッキーな状態で時速100mくらいの超低速スピードで移動したそうだ。西川が100円ショップで買ったイスに座ってウトウトし始めると、後ろの人に押されて20mほど前進する。結局全然眠れなかったのだという。いや、お疲れ様でした。
11日夕方に帰社した西川。すぐにiPhoneを取り出し、なんとも愛おしそうに触る |
新規契約者に配られた「お父さんってしゃべるんだー!ストラップ2」を自慢。CMでおなじみだが、数に限りがあるのかもらえなかった人もいるらしい |
ところで、西川によると購入前にちょっとした悲劇があったようだ。彼がちょうど店に入ろうとした15時40分ごろ、店舗の目の前で行列を整理していたスタッフが「16GBのiPhoneはブラックもホワイトも売り切れました」と言ったそうだ。
すると、西川の後ろに並んでいた4人組の1人が「俺は16GBがないなら、もういらない。明日また並ぶ!」と言って、友人が止めるのも聞かず、行列を離れたのだという。だがその後、西川がショップの店頭でスタッフに「16GBは売り切れたんですよね」と聞くと「ホワイトはまだございます」との返事が……。
その列を離れた彼はまた明日並ぶのだろうか? ちなみに朝6時の時点で最後尾のさらに後ろに、翌日販売分の列ができつつあった。行列はまだまだ続く……。
本日分の販売終了の告知の後ろに列が……なんと翌日販売分の列。朝6時の時点で26人程が並んでいた |