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ニコ動「おっくせんまん」は4畳半で生まれた

2008年07月10日 19時59分更新

文● 広田稔/トレンド編集部

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CD名は「権利許諾を取ってみた」という案も


── 齋藤さんにお聞きしたいんですが、このCDを作るにあたって、何に苦労されましたか?

齋藤氏

齋藤 まず、CDのタイトルですね。最終的に「CDで聞いてみて。〜ニコニコ動画せれくちょん〜」に決まりましたが、ここに至るまでが結構大変でした。

 「CDにしてみた」とか、「権利許諾を取ってみた」というのにしようかなという話もあったんです。僕的には「権利許諾を取ってみた」で行きたかったんですが、ちょっと「ひよって」しまったw

 あとは、ずっと続けてきた著作権関連の交渉ですね。「エアーマンが倒せない」を含め、すべての楽曲において作者の方と直でやり取りしましたし、「みくみくにしてあげる♪【してやんよ】」「恋スルVOC@LOID」といった初音ミク関連の曲も、権利者さんの理解があって許諾がもらえました。

 それらの曲に加えて、「思い出はおっくせんまん」を「/ゴム」を付けてどうしても入れたかった。「おっくせんまん」は乱暴に言ってみれば、誰かが勝手に歌詞を付けて、勝手に歌って、勝手にニコニコにアップして盛り上がっていたという性質の楽曲です。

 権利を持つカプコンさんとずっと交渉をして、カプコンのエグゼクティブプロデューサー、稲船敬二氏にもお話しさせていただきました。カプコンの方が、二次創作であるこの「楽曲」にも非常に理解を示してくれたことで、CDの発売やカラオケの配信にこぎ着けたわけです。


── 言葉で言うと、さらっと流してますけど、かなり大変そうですね。

齋藤 でも今回、ニコニコというひとつの文化をCDという形で出せたのは、みんなのコメントや再生数があったからなんですよ。

 カラオケ配信にしても、やっぱりゴムさんみたいに、オクターブを上げてカラオケでブチ切れたいという人が、世の中にはいっぱいいるんですよねw そのために「越えなきゃいけない壁」はありますが、ドワンゴとしてはそうした壁をひとつひとつ突き破って、世の中に面白いムーブメントを発信していきたいと思っています。


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