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大深度小型無人探査機「ABISMO」マリアナ海溝へ

未知との遭遇?世界初、深海1万m超の試料採取の旅

2008年07月08日 23時16分更新

文● 丸子 かおり

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世界で唯一の1万m級無人探査機


 海洋研究開発機構(JAMSTEC)の大深度小型無人探査機「ABISMO(アビスモ:スペイン語で「深淵」の意味)」がマリアナ海溝チャレンジャー海淵で偉業を成し遂げた。

マリアナ海溝チャレンジャー海淵でのABISMO(提供:JAMSTEC)

マリアナ海溝チャレンジャー海淵でのABISMO(提供:JAMSTEC)

 6月1日から3日まで、マリアナ海溝チャレンジャー海淵を潜航し、6月3日には、無人探査機で深さ1万280mまでたどりついたのだ。

ABISMOは主に、フレーム状のランチャー部分と、キャタピラのついているビーグル部分に別れ、海底ではビーグル部分はランチャー部分から切り離されて海底面の調査活動を行なう(提供:JAMSTEC)

ABISMOは主に、フレーム状のランチャー部分と、キャタピラのついているビーグル部分に別れ、海底ではビーグル部分はランチャー部分から切り離されて海底面の調査活動を行なう(提供:JAMSTEC)

ビークルは全長160mのケーブルでランチャーと繋がれており、ランチャーの下を航走しながら搭載されたTVカメラによって海底面の調査を行なう

ビークルは全長160mのケーブルでランチャーと繋がれており、ランチャーの下を航走しながら搭載されたTVカメラによって海底面の調査を行なう

 さらにABISMOは採泥装置(泥を取る機械)を下ろし、深さ1万350mの海底で、1.6メートルの堆積物柱状試料の採取に成功した。また、150mから1万258mまでの12点で海水を採取し、世界初の1万mを超える海洋-海底面-海底下の連続的試料採取を達成。なお今回の試料採取の意義について海洋工学センター先端技術研究プログラム高性能無人探査機技術研究グループの大澤弘敬さんに聞いてみたところ……。「1万mを超える海底下の試料採取により、新たな微生物や遺伝子資源などの発見の可能性がある。また地球上でもっとも水圧の高い極限環境に生きる生物が、表層ー中層ー深層ー超深層の生物とどのように関わりあって生きているのかを解明する手がかりを得られる」とのこと。

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