会社なんてバンバン作ってどんどん世間の荒波に揉まれればいい
清水 以前仕事をした仲間で、独立して会社を作った人間って多いんですけど、結局その会社をあえて潰して、僕といっしょにまた働きたいと言ってくれる仲間がけっこう多いんですよ。「ちまちまやってもつまらない。清水といれば何かおもしろいことができそうだ」って言って。大きなことをするんだったら、僕みたいに大きな声で大ボラを吹けるヤツと一緒にやったほうがいいって思うんですよ(笑い)。
高須賀 そういうふうに、他におもしろいものがありそうだから参加する、という方法でもいいと思うんですよね。
清水 そう。だから会社なんてバンバン作ってどんどん世間の荒波に揉まれればいいんですよ。
高須賀 大賛成ですね。
清水 先日も、どこかのニュースで若くて優秀な人が「自分を活かしてくれる会社に入りたい」なんてことを言ってたんですよ。なんか違うなと。本当に自信があるなら自分で会社を興してみるぐらいの気概がないと。
高須賀 会社を作るのは凄くいい経験になりますよね。僕の経験上、大企業に必ずしも学ぶことがあるとは限りませんからね(笑い)。
清水 やればやるだけの苦労がありますからね。向き不向きがあるってことや、人は一人じゃ生きられない、なんてことを学んで、成長すればいいんですよ。
高須賀 そして経営者はバカにならないとだめですよね。
清水 そう。頭のいい人はプライドがジャマするかもしれないですけど、ある程度バカにならないと。ビル・ゲイツだって、すごく隙があるように見えるから成功したんだと思いますよ。寝癖頭で記者会見に現れたりとかね。
高須賀 いまの会社を上場させる予定は?
清水 いまのところはないんですよ。上場してもあんまりメリットがないような気がするんですよね。上場して資金調達しても使い切れないですし。
高須賀 上場すると目立つし、ちやほやしてもらえるよ(笑い)。
清水 いや、上場するより、ブログに過激なことを書いたほうが目立ちますよ(笑い)。ちやほやもいりません。だからそんなに魅力は感じないんです。そもそも目立ちたくない。
高須賀 それなら、清水さんもぜひアメリカに来て、現場の経営者に触れあってみてほしいなあ。アメリカのIT経営者って純粋な人が多いから。利益とか資金調達とかそういうことより「ITで何かおもしろいものを」って考えてる。
清水 僕はいま、ユビキタスエンターテインメントを1年でも長く続けるのが目標になっているんです。そしたらあと1年はまるまる運営できる資金も貯まってきたので、そのお金を有効に使ってみようかと思ったんです。それで学生のアルバイトを雇って、目についたアメリカのサイトをとにかく全部翻訳させる、みたいなことをやっているんです。それから、こないだYouTubeにアップした「iPong」みたいなものを作って、会社をアピールしようと。1万人のアメリカ人に会社の名前を売ろうと思ってたんですが、iPongのおかげでその50倍ぐらいは認知されたと思いますよ。上半期の目標が達成できたようなうれしさです(笑い)。
「iPong」の動画はコチラ
高須賀 いや、いいと思いますよ。清水さんは声が大きくて、僕よりずっと先を見ている、いま旬の経営者だと思っています。今日はお話できて良かったです。ありがとうございました。
清水 こちらこそありがとうございました。
「第弐回天下一カウボーイ大会」が8月に開催決定!
コンピュータを愛する者達の祭典「第弐回天下一カウボーイ大会」が昨年冬に引き続き、8月24日に開催される。本大会は、世に惑うコンピュータ・カウボーイ達を一同に集結させ、互いのスキルを競いあい、刺激し合い、高度な技に驚嘆する場の提供を目指している。清水亮氏と鈴木健氏(サルガッソー)のダブルMCのもと、基調講演には水口哲也氏(キューエンタテインメント)を迎え、小野和俊氏(アプレッソ)稲見昌彦氏(慶応大学)安倍吉俊氏(イラストレーター・漫画家)ら多士済々のロデオ披露、パネルディスカッションと盛り沢山。8月24日には「秋葉原UDXギャラリー」へ足を運んでみてはいかがだろうか? 入場券はチケットぴあにて発売中!
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高須賀 宣(Toru Takasuka)
LUNARR,Inc. CEO
広島工業大学卒業後、松下電工へ入社。ネットワークエンジニアを経て、同社の社内ベンチャー制度によってヴィ・インターネットオペレーションズを設立。97年、同社を退社し、サイボウズ株式会社を設立。2000年8月東証マザーズ上場、2002年3月、東証2部へ上場を果たす。2005年に同社取締役を退任し、2006年米国オレゴン州ポートランドにLUNARR,Inc.を設立。
清水 亮(Ryo Shimizu)
株式会社ユビキタスエンターテインメント代表取締役社長兼CEO
電気通信大学在学中にマイクロソフトの次世代ゲーム機向けOS開発に携わる。98年に株式会社ドワンゴ入社、99年に同社の携帯電話事業を立ち上げる。2002年に退社し、DWANGO North Amerika.Inc コンテント開発担当副社長を経て2003年、ユビキタスエンターテインメントを設立。2005年、IPAによって天才プログラマー/スーパークリエイタとして認定される。
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