2008年07月01日更新
世界に通用するためのスキル
吉田さんのように仕事外のさまざまな経験をするには、ワークライフバランスの意識も高く持たなければならないだろう。キャリアやワークライフバランスをどのように考えているのかをうかがってみた。
「今後、ますます変化が激しい世の中になっていくので、10年、20年先の自分のキャリアを考えても無駄だと私は思います。これから先、『組織の中で仕事をしていくのか』『個人で仕事をしていくのか』といったような大きな方針ぐらいしか、決めても意味がないでしょう。年初にその年と来年くらいまでの年間目標を決めたら、後は目の前のことを一生懸命やるだけ。実際、目の前のことを一生懸命やることで、道が開けて、思いがけない展開があったりするものだと思いますね」
現在、吉田さんは、海外で活躍できる人材の育成や外国人人材のマネジメントを行なう「グローバル人材マネジメント」「評価制度の改革」「人事業務のプロセス改革および人事情報システムの導入」といったコンサルティングを行なう部門を統括している。吉田さんはコンサルタントとして成功しているといえるだろうが、特にそのキャリアは描いたわけではないという。「グローバルに活躍したい」という大きな目標のもと、目の前にあることに取り組み、目標の実現に向けて意思決定を積み重ねていった結果だと語る。
「私がグローバルな仕事をしたいと思い始めたのは、大学時代にヨガをやっていて、『ヨガをやっているなら、インドに行かざるを得ない』と、卒業旅行に1人で行ったインドがきっかけです。卒業後に就職したアンダーセンコンサルティングも、研修のためアメリカに行けるという理由で入社しました。コンサルタントとしてのキャリアを描いて入社したわけではありません」
ワークライフバランスに関しては、いつもバランスを取っていてはダメだという。
「1年間などトータルで見てバランスが取れていればよくて、1日や1週間でバランスを取るものではないのでは……。何があってもその日にやらなくてはいけない仕事というものもある。私は『健全な狂気』と言っていますが、競合他社とのコンペで絶対に勝たないといけない場合などに、気合と睡眠不足で目が血走るのも当然だと思いますね」
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| 吉田さんは、旅のほかにも「U.O.D.」というロックバンドのギター活動をしているという。「第1回 日経おとなのバンド大賞」には、全国から743のバンドが挑戦し、その中で準グランプリを獲得。記事冒頭の吉田さんの写真とは別人のよう…… |
現在、日本企業のトップマネジメントに海外駐在経験者が増えている。特に、海外拠点の立ち上げや経営の立て直しを行なった人は、異国の地で修羅場を体験したことでコミュニケーション力が格段に上がり、成功経験に裏づけされた自信もできると吉田さんは語る。グローバルに活躍できる人材になるためには、仕事だけをしていては難しい。ワークライフバランスを取って、さまざまな体験をすることを心がけるのもいいだろう。