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池田信夫の「サイバーリバタリアン」 ― 第22回

ウェブの世界から消えてゆく日本

2008年06月24日 11時00分更新

文● 池田信夫/経済学者

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Google対Facebook


Supernova
Supernovaのウェブサイト

 先週の月曜から水曜まで、サンフランシスコで「Supernova」という会議が開かれた。これは毎年開かれているネットベンチャーのお祭りのひとつで、今年のテーマは「ネットワーク時代の挑戦」。出てくるベンチャーの多くが無名のSNSで、Facebookなどの「ソーシャル・ネットワーキング」がグーグルを脅かす存在に成長していることを感じさせた。

 昨年11月、米マイクロソフトはフェイスブックの株式の1.6%を2億4000万ドルで買収した。これは同社の企業価値を150億ドルと評価したことになる。いわゆるWeb 2.0系の企業としては、YouTubeの買収価格が16億ドルだから、その10倍近い最高記録だ。まだ赤字の企業としては破格の価格だが、「MSはいい買い物をした」と評価されている。それはFacebookが1億人以上のメンバーを集め、グーグルの「後継者」に最も近い位置にいると見られているからだ。

Facebook5月に日本語版もスタートしたSNS「Facebook」


アクセスは集まるが、収益は……


 Facebook以外にも、多くのSNSが参加していたが、議論が白熱するのは「いかにアクセスを集めるか」といった話ばかりで、それがどう収益に結び付くのかは、ほとんど議論にさえならない。かつてのドットコム・バブルのときとよく似ている。

 ベンチャーキャピタリストのセッションでも「そろそろ Web 2.0バブルも終わりだ」という声が聞かれた。昨年、シリコンバレーのベンチャーキャピタルに流れ込んだ資金は310億ドルと、かつてのバブル期に近いが、そのリターンも310億ドルでベンチャーキャピタルの一人は「ほとんど慈善事業だ」と笑っていた。

 それでもベンチャー企業は、アクセスさえ集めればグーグルかマイクロソフトかヤフーが買ってくれると思っているので、ほとんどビジネスモデルなしでアクセスだけを集めている。その大部分は赤字で、IPO(株式公開)もゼロに近い。

 これはSOX法(企業改革法)で公開コストが大きくなった影響もあるが、成長(アクセス)を増やす必要に迫られている大手企業が買収の「出口」になっているため、いわばアクセスが株価として換金できるのだ。

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