珍スポットは「面白がる能力」を試す場
── 「オコシ系」や「オヤジ系」の珍スポットは、やっぱりちょっとエンターテインメント性がズレているから、どうしても客足が向かなくなってしまうわけですよね。
麻理 そうなんですが、私、珍スポットは行く人の面白がる能力を試されるところだと思うんですね。
大きな遊園地や大観光地は、エンターテインメントのプロがあの手この手で楽しませてくれます。なので、どんなに面白がる能力が低くても面白がることができるんですよ。でも、それに慣れちゃうと受け身になって「誰か面白がらせてよ、私を楽しませて」っていうふうになっちゃうと思うんです。
珍スポットはそういうサービスがほとんどないですから(笑)。自分で興味のあるところを見つけたりと、面白がる能力を高めていかないと楽しめないんですね。なので、自分がそういう能力があるか否かの試金石になっていると思うんです。珍スポットにお客さんが入らないというのは、「誰か私を楽しませて」という人が増えてしまったのもあるかと思うんですよ。
皆が面白がる能力を高めたら、色々な人に知らせたくなりますよね。そうしたら、ネットはもっと楽しくなると思うんです。
── ちょっと見えてきました。麻理さんは「面白がる能力」をフル活用しているから、色々なコンテンツのサイトを併行してやっていけると。
麻理 ありがとうございます(笑)。ワクワクする趣味にのめり込むのはありますね。ただ、たくさんのサイトを運営するのは目的というか夢があって、今後10年以内に100万以上のアクセスがあるサイトを10個は作りたんですよ。今すでに5つ持っているので、少なくともあと5つ。
── それぞれ別のコンテンツでですよね。それは相当視野を広めないと大変そうですね。
麻理 ただ、面白いサイトを作るという意味で、何となく共通点は分かってきたような気がしていまして。きっかけは大学生のときなんですが、同じ教科書を使う同じ内容の授業を複数の教授が開いていたんです。それなのに、すごく面白い授業と、周りが寝てしまう授業がありました。コンテンツは同じなのに何故だろうと考えたところ、いちばん重要なのは教授が面白がっているか否かという点だと気付いたんです。
ブログやホームページでも同じで、確かにコンテンツもある程度のクオリティーは必要ですけど、管理人さんがそれをどれだけ面白がっているかが重要なんです。管理人さんが面白がっていると熱ができて、読者の方もそれを感じるんですよ。古田さんの連載で紹介されてきた管理人さんを見ると、皆さんすごく「面白がる才能」があると思うんです。
だから、目標にしても、コンテンツありきではなく、私自身が面白がって「これ絶対知ってほしい!」と思えるようなサイトを作るのが効率的だと思っています。
── 1年やっていて、その指標には気付きませんでした(笑)。勉強になります。
麻理 いえそんなっ。
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