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あなたが知らない家電の世界 第1回

日立「ビートウォッシュ」はなぜタテ型なのか?

2008年07月01日 11時00分更新

文● 正田拓也

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乾燥時に湿気を出さないのが日立流

実はこの1台は水冷式です。パソコンの話じゃありません

 乾燥に水を使うというと、ちょっと首をかしげてしまうのだが、実際、乾燥にも水は必要だ。BW-D9JVの乾燥機構は「カラっと乾燥」と呼ばれる、本体の外に湿気を排出しない水冷除湿乾燥方式なのだ。

 通常なら乾燥に水は必要なく、ただ単に、洗濯物の水分を湿気を含む排気として放出してしまえばよい。ところがBW-D9JVでは、乾燥させる際に発生する湿気を、水冷ダクトを通して冷却、再び水に変えて排出する機構となっている。

 この冷却のために水が必要なのだが、湯サイクルエンジンにより、ここでも残り湯を使うことができる。


省エネのためダクトを改良、5年ごしで開発された新技術

 今回の機種からは、乾燥のための空気の通り道を大幅に短縮している。従来は下から入った湿気を、上に持ち上げ、下に降ろし、さらに上に持っていきながら除湿し、洗濯槽に風を吹き込ませていた。

乾燥風路内の空気を移動させるファン。風路がコンパクトになったことで、効率化が図れるという

ファンの横にはヒーターがある。ヒーターも加熱時間などを制御することで外気温の変化があっても最適な温風を作り出す

 BW-D9JVでは、その経路を一気に短縮し、下から吸い込み、上に行く風路で除湿、上部のヒーターで過熱をして、洗濯槽に戻すという方法を取っている。通り道を短くすることで、ファンの作用を効率化、上部の風量を増すことができるのはもちろんだが、省電力性も実現する。消費電力は従来製品(2001年機種)から45%削減という驚きの数値だ。


おろし金状のダクトが、乾燥のポイント

 乾燥のための水路にも工夫の後が多く見られる。実際に分解してみないとわからないパーツだが、水路には斜めの突起が無数にあり、プラスチックのおろし金のようになっている。

除湿ユニット。上から水を流すことで水冷除湿乾燥を行なう

拡大したところ。プラスチックのおろし金のようだ

 これは水の流れを遅らせることで効果的に水冷による除湿を行なうという構造上の工夫だ。水の節約にもつながっている。

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