このページの本文へ

前へ 1 2 次へ

最新版Microsoft Officeの新機能と互換性を徹底チェック

Office 2008超基本ガイド(後編)

2008年06月16日 18時00分更新

文● 小口博朗、倉田吉昭、津田福吉、MacPeople編集部

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

9. PowerPointの互換性


Windows版のPowerPoint 2007と、Mac版のPowerPoint 2008の互換性は、画像のレイアウトやグラフの再現性などに関してもほぼ問題ない。しかし、埋め込まれた動画の再生や、フォントによるレイアウトの崩れなどの多少の互換性の問題は発生する。また操作画面などは、使い勝手が違うので、詳しくみていこう。



Microsoft PowerPoint 2007/2008間の互換性

Office 2007

Windowsで、PowerPoint 2007標準のデザインテンプレートを使って作成した、テキスト、画像、グラフを含む標準的なスライド

Office 2008

Office 2008 for Macで左のファイルを開くと、オブジェクトの配置や色などのデザインが継承されているのが確認できる。Macのほうがフォントやオブジェクトの描画がキレイだ。ただし、Windows Media VideoなどのMac標準コーデックではない動画が張り付けられている場合、それらをサポートするソフトがOS Xにインストールされていないと再生できない

Office 2007

次にWindowsで作成した、標準的な折れ線グラフの確認だ。3D円グラフを含んだスライドを用意した

Office 2008

Office 2008 for Macで開くと、グラフの細かいところまできちんとレイアウトが継承されている。3D円グラフのオブジェクト間のスペースも正確に表示されている。しかし、テキストなどの細かい部分は、キッチリレイアウトするとフォントの大きさのわずかな違いでレイアウトが崩れてしまうことがある


メインメニューレイアウト

Office 2007

Office 2007は「ホーム」ペインに主な機能が集約されている。「挿入」「デザイン」「アニメーション」「スライドショー」「校閲」「表示」とタブが分かれ、プレゼンテーションの作成からプレゼンまでのフロー順に機能グループが続く

Office 2008

Office 2008はウィンドウ上部に主な機能が配置され、その下にデザインに関するボタンバーが配置される。Office 2007に比べるとシンプルになっており、配置されるアイテムも順番もまったく違うので、Office 2007に慣れている人は混乱するかもしれない


書式設定は独立パレット

Office 2007

Office 2007や以前のWindows用バージョンは、ウィンドウ上部に書式ツールバーがあり、プレゼン作成中によく使う機能に効果的にアクセスできる。作業中に一番使う機能なので、使い勝手がいい

Office 2008

Mac版のOffice 2008も2004も、書式パレットは独立したウィンドウで提供される。機能はグループごとにまとめられ、機能によってはグループを展開する必要がある。スライド作成中に常にパレットを表示したり、全機能グループの展開を行う十分な画面スペースがない場合、使い易さは半減する


アニメーション設定も問題なし

Office 2007

PowerPoint 2007でSmartArtオブジェクトを作成し、その中にあるオブジェクトひとつひとつにアニメーションを割り当ててみた。作業スペースにオブジェクトの表示順が数字で示されるのは便利だ

Office 2008

Office 2008 for MacでもSmartArtオブジェクトの個々のオブジェクトに割り当てたアニメーションが順番どおりに再生される。Macでは再生順番はスライドに表示されない。テキストのタイプライターアニメーションも、滑らかに再生できないので、多用は避けたい



10. Entourageの互換性


Mac版Office独自のソフトである電子メール/PIMソフトのEntourageは、「Exchangeサーバ」との互換性が高まったほか、OS X標準の「アドレスブック」とのデータ互換も高められた。一方Windowsで一般的なOutlookとの間にサポートするファイル形式に違いがあるなど、連携させるうえで気をつける点がいくつかある。



Microsoft Outlook 2007/Entourage 2008の互換性

Office 2007

メール、カレンダー、アドレス帳、メモ、To Doと5つの機能を備えたWindowsの総合PIMソフトがOutlook。基本となる画面は、ウィンドウ左側で機能を選択し、右側に表示される

Office 2008

基本的な機能はOutlook一緒だが、MacのEntourageでは機能をツールバー左上のアイコンで切り替える点が異なる。アドレス帳は問題ないが、iCalendar形式は読み込めない点に注意

Office 2007

OutlookはほかのOfficeソフトと異なり、Officeボタンなどが存在しない。また、OutlookではTo Doやその日の予定などを別ペインとしてメール画面などにも表示できる

Office 2008

EntourageではTo Doやその日の予定など、各機能のインターフェースが独立している。そのかわり「MyDay」という独立したソフトが起動して、Entourageを開かなくても予定などを表示できる


メモに互換性なし

Office 2007

OutlookとEntourageはどちらもメモを記録/管理でき、一見同じような機能にもかかわらず、相互に互換性がない。Outlookのメモはちょうどスティッキーズのようなもので作成日と内容しか残せないが、メールに添付して送信もできる

Office 2008

Entourageでは題名と内容を別々に設定したり、さまざまな項目にリンクを張ったりできるが、メールへの添付は不可。また、Outlookのメモを添付してEntourageに送っても、開けない


iCalendarが読み込めない

Office 2008

EntourageではiCalendar形式をサポートしていないため、iCalやOutlookのデータをそのまま読み込むことができない。企業などで「Exchangeサーバ」がある場合は、サーバー経由で共有が可能だが、それ以外はどうしようもないので要注意だ


vCardのバージョンに注意

Office 2008

EntourageとOutlookは、アドレス帳データに「vCard」形式を使っている。これはパソコンだけでなく携帯電話などでも使われている形式で、OS X標準の「アドレスブック」でも使われている

Office 2007

OutlookとEntourage間でやり取りする際はそれほど問題はないが、OS Xのアドレスブックからデータをコピーする場合、Entourageはそのままドラッグ&ドロップで読み込めるのだが、Outlookでは文字化けしてしまう

アドレスブックやEntourageはUnicodeに対応しているが、OutlookはUnicodeで記述されたデータに対応していない。そのためOutlookで読み込めるデータにするには、アドレスブックで書き出しの際にvCardのバージョンを2.1にしておく必要がある。アドレスブックの「環境設定」にある「vCard」パネルで変更可能だ(左)


前へ 1 2 次へ

カテゴリートップへ

ASCII.jp RSS2.0 配信中