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キャリア・ピックアップ 第46回

想像以上に低い技術者の語学力

ないようで……英語上達に近道はある!

2008年06月12日 11時00分更新

文● 稲垣章(大空出版)

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勉強が続かないありがちな理由

 エンジニアの中には「語学は学生時代から苦手だったし……」とか「そもそもコツコツ勉強をするのは無理!」と考える人も多いだろう。

 しかし、これからエンジニアがビジネスで生き残るためには英語は必須であると考えるべきだし、残念ながら? 語学学習はやはり毎日続けることが大切となる。ではどうすれば毎日続けられるのか。ポイントとして無理矢理市販の教材を選ぶ必要はないということがあるようだ。

「英語学習の教科書や問題集を選ぶのではなく、もともと自分に知識があり興味もある分野について書かれた雑誌などを使って“自分好み”に英語学習を引き寄せることがポイントです。単純に興味がある分野であれば苦ではなくなりますし、知識がある前提なら理解しやすいでしょう。例えば、私が英語初心者で学習するなら、アメリカの科学雑誌『SCIENTIFIC AMERICAN』もいい教材として使えますね。自然科学の分野の英文は読みやすいですし、使われている英語のレベルも英語学習の教材として使われる『The New York Times』よりやさしくていいのです(笑)。逆に、知識や興味のない分野のものを教材にしてしまうと、『語学の壁』に加えて『知識の壁』が存在してしまいます。それでは壁が厚すぎて、学習を続けることが難しいでしょう」

利用できる雑誌やサイト

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技術系の話題サイト「slashdot」

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アメリカのマサチューセッツ工学大学(MIT)のサイト

 参考までにもう少し“使える教材”を挙げてみる。例えばニュースに興味があるならアメリカのニュース誌『Newsweek』『Time』、もう少し英語力の高いものを選ぶのならイギリスのニュース誌『The economist』がいいだろう。また、とある英語学習に成功したエンジニアにもお勧めを聞いてみた。IT分野であれば『Linux Journal』、Webサイトなら『slashdot』を教材とするのもお勧めとのことだ。

 そして、渡辺さんがインターネットを上手に活用することで効率的な英語学習ができると勧めるのはアメリカのマサチューセッツ工学大学(MIT)のサイトだ。同大学では講義にオープンウェブを取り入れていて、サイト上で英語の講義が受けられるとのことだ。

「英語での講義を動画で見て、聞けます。しかも講義ノートもテキストとしてサイトに掲載されています。繰り返して見ることもできます。先ほど言ったように、自分の知識のある分野の講義を受けることで、優れた教材になると思います。実際に、中国の大学では、MITのオープンウェブ講義を最大限に活用して、学生の英語力を高めるのに役立てているようです。また、専門用語の辞書機能が優れている英語サイトを見つけておくと学習に役立ちますね」

 英語への苦手意識ある人ほど、「語学は一から学ばなくては」という意識が強く、文法や語彙などから学習を始めてしまいがちだ。そしてその結果、英文が読めるようになる前に断念してしまうことになる。そうではなく、まず知識と興味がある雑誌などを読むことから始めて、分からない語彙や文法が登場したときに辞書や文法集で学習する。そうすることで英語の習得にぐっと近づくという。多忙なITエンジニアであっても、効率的に英語の習得は可能なのだ。

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