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超新星残骸カシオペヤAの可視光を解読

300年遅れでやってきた「ひかり」の「こだま」

2008年06月11日 18時15分更新

文● 丸子 かおり

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 「こだま」といえば、山に向かって「ヤッホー」と言えば「ヤッホー」と帰ってくるアレ。しかし、宇宙スケールでの「こだま」がすばる望遠鏡により観測されたのだ! 超新星残骸カシオペヤAの可視光、300年前の1680年ごろ届くはずだった光が、カシオペヤAの周りにある塵が放った赤外線により反射して300年遅れて、今、届いたのだ。何ともスケールが大きい「光のこだま」だ。「光のこだま」なんて書くとなんか新幹線みたいだなぁ。

カシオペヤ

中心の白い光の脇にある煙のような光がカシオペヤAの「光のこだま」(提供:国立天文台)

 当初、科学者の間では、1680年ごろ届くはずなのに当時の天文学の記録に超新星の爆発がない、という謎がささやかれていた。しかし、スチュワード観測所のオリバー・クラオゼ研究員がスピッツァー宇宙望遠鏡で、カシオペヤAの周りにある塵と赤外線を観測。それを受けて国立天文台ハワイ観測所が「光のこだま」を探し当てたのだ。

カシオペヤ

A→Bという経緯で「光のこだま」が発生。カシオペヤAの光が300年、地球に遅れてやってきたのだ(提供:国立天文台)

 カシオペヤAまでの距離は約1万1000光年。つまり爆発の光が放たれたのは1万1000年前。そんなスケールに比べたら、300年なんて誤差程度なのかもしれないけれど、地球に住む者からしたらまさに奇跡としかいいようがないだろう。


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