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iPhone発売は「ほんの出発点」

林信行に聞く「ソフトバンク、iPhone発売」

2008年06月05日 06時25分更新

文● トレンド編集部、語り●林信行

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今なら、まだ中心的役割を果たせる


prediction.jpで林氏が行なった「6月、日本版iPhoneが発表される」という賭け

 今回の日本版iPhone発表にあたって「prediction.jp」というサイトを使って賭けを行なった(関連リンク)。NTTドコモとの提携を選んだ私は賭けに負けたが、この試みで驚いたのが、意外に多くの人が「日本版iPhoneは出ない」と賭けていたことだ。

 実際にインターネットの声に目を向けたり、メーカーの人の話を聞くと「日本のケータイ事業者がアップルの条件を飲むわけがない」といった声をよく耳にして驚いた。

 取材する立場で、キャリアの人と話をすると、「いい製品を獲得するためであれば喜んで変わる」という強い心意気を聞くことができる。

 一方でいろいろなメーカーや、キャリアの人と話をすると「どうせ、こんなことを言ってもキャリアに突き返される」「却下される」と、話す前にあきらめてしまっていることが多い。

 そうした心の壁を築いてしまうと、いつまでたっても「突き抜けた製品」を作ることはできない。もっと製品のアイデア出しや、開発作業のときには、制約を設けず自由闊達に話し合い、それが正しいと思うなら、自分を信じて、情熱を持って上司でも、キャリアでも説得に当たる。

 今の日本のメーカーの方々には、そうした姿勢が少し足りない印象を受ける。

アップルCEO、スティーブ・ジョブズ氏

 スティーブ・ジョブズは、iPhoneを発表したとき、「Apple reinvents the phone.」と語った。これからは日本の携帯電話も、大きく変わっていく。だが、その未来の携帯作りは、アップルとグーグルだけが担うものではない。

 今なら、まだ日本のメーカーも中心的役割を果たせる

 iPhoneは、日本でもそこそこ売れるとは思うが、主流の製品になるには、まだ数年は必要だろう。それまでが勝負だ。


筆者紹介──林信行


 フリーランスITジャーナリスト。「iPhoneショック」(日経BP刊)の筆者。大学や企業で講演をしたり、製品/技術開発のブレインストーミングに参加することも多く、製品コンサルタントとしての顔も持つ。ジャーナリストとしては、デジタル技術によって変わる人々のライフスタイルやワークスタイルに大きな関心を持つ。ハード、ソフト、ウェブの技術だけでなく、アートやデザイン、コンシューマーやIT系企業の文化についても取材/執筆活動をしている。「MACPOWER」「MacPeople」元アドバイザー。近著は「スティーブ・ジョブズ ー偉大なるクリエイティブディレクターの軌跡」(アスキー刊)、「アップルの法則」(青春出版社)、「アップルとグーグル」(インプレスR&D社)など。自身のブログは「nobilog2」。


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