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タンバーグのTV会議システムで未来の通信を先取り

相手の視線まで感じる「テレプレ」を体験!

2008年06月04日 19時00分更新

文● 大谷イビサ(ネットワークマガジン編集部)

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ブロードバンドやNGNのキラーアプリケーションとして、昨今「TV会議システム」が静かな盛り上がりを見せている。TV会議システムは、音声とともに、ビデオを双方向に用いたビジュアルなコミュニケーションツール。もちろん、Skypeなどを用いれば、音声だけでなく、ビデオによるコミュニケーションも可能だが、専用のTV会議システムは、一枚も二枚も上手であった。

タンバーグが目指す「ナチュラルコミュニケーション」とは?

 6月3日、タンバーグは同社の最新TV会議システムの体験会を行なった。タンバーグはTV会議システムの製品を幅広く扱うノルウェーのベンダーで、ノキア、エリクソンとともに北欧の3大IT企業の1つといわれている。ソニーやキヤノンなどの国産ベンダーの強い日本では知名度は低いが、ワールドワイドではポリコムとともに高いシェアを誇っている。今回は「体験会」と銘打つ通り、TV会議システムを体験することで、そのメリットを理解してもらおうという趣旨である。

 冒頭、挨拶に立った日本タンバーグの林田直樹社長はTV会議システムの市場と同社のビジネスについて解説した。総務省の調査によると、TV会議システムは、従業員2000名以上の企業ではすでに60%の普及率を実現しているという(2006年度)。しかし、同社は単なる普及率ではなく、どの程度デイリーで使われるかにフォーカスしているという。これを実現するための同社の2008年のキーワードが、高い解像度とリアルタイム性で違和感のない「ナチュラルコミュニケーション」だ。

ナチュラルコミュニケーションについて解説する日本タンバーグの林田社長

ナチュラルコミュニケーションについて解説する日本タンバーグの林田社長

 ナチュラルコミュニケーションを実現する地盤はすでに整っている。1990年代、TV会議というとISDNなどのナローバンドの回線を用いた専用システムが多く、帯域や処理能力の制限から、クオリティも低かった。しかし、昨今では回線がブロードバンド化し、マルチメディアを扱うためのプロセッサの処理能力が向上したことで、従来に比べてはるかに高いレベルのビジュアルコミュニケーションが可能になっている。また、プロトコルがほとんどIP化されており、TV会議システムのスタンダードであるH.323に加え、IP電話で用いられるSIPも徐々に導入されつつある。IP化された企業のネットワークに違和感なく導入できるわけだ。

製品について解説するテクニカルサポートマネージャーの中村昌弘氏。最初のデモで使われたのはHD対応のProfileという機種だ

製品について解説するテクニカルサポートマネージャーの中村昌弘氏。最初のデモで使われたのはHD対応のProfileという機種だ

 次にテクニカルサポートマネージャーの中村昌弘氏がタンバーグの各製品を紹介した。まず紹介したのは、「エンドポイント」と呼ばれるTV会議用の専用端末だ。液晶ディスプレイとカメラを一体化した「Expreria」や「Profile」などの端末、ディスプレイを外付けするための「Edge」や「Set-Top」などの端末、各社員の卓上に設置する小型の「Centric」などがオフィス用に用意されている。また、オフィスの入り口用の壁掛け端末「Compass Utility」や持ち運び可能な「Tactical」、そして昨年は端末の機能をPC用のソフトウェアで実現した「Tanbarg Movi」という製品も提供を開始している。

先日の四川大震災でも利用されたヘビーデューティな「Tactical」

先日の四川大震災でも利用されたヘビーデューティな「Tactical」

 これらのTV会議用端末の最近のトレンドは、非常に高精細なビデオ伝送を可能にするHD(High Definition)対応。HD対応のディスプレイとカメラが比較的安価に提供されるようになったことで、従来よりはるかに高いレベルのビジュアルコミュニケーションが実現できるようになったという。

 インフラ装置としては、複数の拠点での通信を制御するためのMCU(多地点接続装置)や、H.323とSIPプロトコル変換やファイアウォール越え、ISDNや3G携帯電話との変換ゲートウェイなどが用意されている。特にMCUに関しては、昨年買収したコーディアン(Codian)の製品がラインナップに追加され、HDクオリティの通信を数多くの拠点で同時に行なえるスケーラビリティを実現している。


相手と握手できそうなテレプレの「臨場感」


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