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松村太郎の「ケータイが語る、ミクロな魅力」 第25回

どこでもポッドキャスト「X02NK」

2008年05月29日 17時05分更新

文● 松村太郎/慶應義塾大学SFC研究所 上席所員

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「深夜ラジオ」の雰囲気


 Podcastは、iTunesやiPodから火が付いたため、それらが事実上のオフィシャルプレーヤーになっている。しかし乱暴に言えば、Podcastは音声や動画にリンクが貼り付けられた、単なるRSSである。iTunesやiPodを使わなくても聴ける、ネット上の割とオープンなコンテンツ配信の仕組みなのだ。

 昨今の日本語のPodcastは、日本の深夜放送に近い雰囲気がある。翌日の午前中の授業の居眠りを覚悟しながら、深夜に布団を被って聞いていたラジオ番組。はがきを送ってステッカーをもらったことがあるリスナーもいるだろう。

 その種のコンテンツが今、日本語のPodcastには充実しつつあり、深夜まで起きていることなく、好きなときにダウンロードして聴くことができる。

 また、ひとたび海外に目を移せば、Podcastは重要な情報発信の場、表現の場として活用が進んでいる。ファッションブランドは自社のランウエイの映像を配信し、ニュースネットワーク各社は世界中に自社のニュース番組を配信する。大学は学生集めのために授業を公開して、知的好奇心を誘う。

 そして何を隠そう、僕自身もPodcast番組を作っている。ITジャーナリストの林信行さんとともにアップルに関する番組「NOBI-TARO PODCAST」や、同世代に向けた「NOMAD TALKS」といった番組でしゃべっているのだ。

 また東京大学サステイナビリティ学連携機構の村沢義久教授や、元外務省勤務の中近東のスペシャリストでもある久留米大学の宮原信孝教授に登場してもらい、持続可能論やアラブの真実など、なかなか聴けないであろう刺激的な番組も作っている。

 聞き手にとっても送り手にとっても自由さが売りのPodcast。これを聞きたいときに、聞きたい場所で、すぐにダウンロードして再生できたらどうだろう?

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