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音楽制作ソフト

レビュー:Cubase Essential 4

2008年05月29日 18時00分更新

文● 祐天寺浩美

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PowerPCの資産をインテルMacで生かす


 現在は、多くのプラグインがユニバーサルバイナリーに対応しているが、ひとつでも非対応のものがあるとインテルMacへの移行の障害になる。

 そこで注目したいのが、PowerPC用のVSTプラグイン/インストゥルメントを、インテルMacで動作するようにエミュレートする「VST Plug-in Bridge」だ。これを使えば、PowerPC用のプラグインを使いたいときでもCubase本体をRosetta動作させる必要がなくなる。ただし、イタリアのIKマルチメディア社製のサンプラー「SampleTank 2 LE」とフリーのコンプレッサー「W1 Limiter」で動作負荷を調べたところ、Rosetta動作のほうがパフォーマンスが上だった。

「SampleTank 2 LE」で4チャンネルぶんのサンプルを発音。左がVST Plug-in Bridge使用時で、右がRosetta起動時。パフォーマンスバーで負荷のかかり具合を見ると、Rosetta起動(右)のほうが若干優秀だ

「W1 Limiter」を7つのトラックでそれぞれ立ち上げて、パフォーマンスをチェック。左がVST Plug-in Bridge使用時で、右がRosetta起動時。Rosetta起動のほうが圧倒的にスムーズに動いているようだ

 単体の負荷だけでみるとあまりメリットがないように感じるかもしれないが、基本はインテルMacのネイティブ環境で作業を進め、一部PowerPC用のプラグインも必要という場合は、ありがたい機能だ。

左がネイティブ起動時で、右がRosetta起動時。ギターアンプモデリング「AmpSimulator」で、インテルCPU化のメリットを調べると、当然Rosetta動作よりはパフォーマンスが高い


【Conclusion】
○  ディザリング機能「UV22HR」や、トラックの負荷を軽減する「フリーズ機能」、ギターアンプモデリングなど、バンドル版製品にはない魅力を搭載する。

×  上位版のCubaseファイルを直接開けないのは残念。また、MIDIイベントのマクロ編集機能「ロジカルエディタ」がプリセットのみしか使えない。

(MacPeople 2008年7月号より転載)


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