機能に結びつく形態
先ほど折りたたみ型ケータイは、待ち受け中と使用中で形が変わると触れたが、最近の端末はもっと細かくて、ひとつの機能と形態が密接に結び付いている。
折りたたみ型ケータイでは、端末の短辺にヒンジがある縦長タイプが標準的だ。しかし、今はVIERAケータイ「P905i」やインターネットマシン「922SH」のように、長辺を軸にする横長タイプの端末も出てきた。またAQUOSケータイのように、ワンセグ視聴時、横長の画角を得るために、縦方向に端末を開いた上、ディスプレーを横に回転させるというものもある。
P905iやAQUOSケータイの場合、画面を横長に使っていれば、ワンセグ試聴やフルブラウザーによるウェブ閲覧なのかな?と分かるし、ケータイの形を変えれば自動的にワンセグが立ち上がるような気の利いた設定に変えることもできる。
ケータイの開き方、構え方、以前のコラムで紹介した「ケータイを振る」など、無意識な動作に対する意味付けには、まだまだ可能性があるように感じる。しかしながら、動作に意味が付いた瞬間、無意識な動作ではなく操作になってしまう。身体的なインターフェイスの活用は、無意識な動作の楽しみを奪っていくことになるかもしれない。
ケータイの形態変化についてひとしきり考えてみたが、815T PBはこうした議論を思い切りひっくり返してくれる端末だ。
フォンブレイバーとは、三池崇史さんが監督を務めるテレビ東京のドラマ「ケータイ捜査官7」に登場するケータイ型ロボットのこと(関連リンク)。ネットワーク社会が進行した世界が舞台で、ビジュアルエフェクトを多用した作品になる(このネットワーク社会の描かれ方も興味深い)。
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