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小さそうで、大きな手ぶれ補正の差──E-520

2008年05月29日 11時00分更新

文● 斉藤博貴

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E-520とE-420、どっちにするか?


 E-520とE-420は姉妹機というより、一卵性の「双生機」と言ったほうがしっくりくる。内部も見た目も共通するパーツが多いのだが、コンセプトはまったく別物と言ってもいい。

E-420

E-420。本体はE-520よりかなり小型だが、内部の構成は非常によく似ている

 両機の基本性能はまったく同じであることは間違いない。しかし、E-520の手ぶれ補正機能は、乗用車に例えればオプションで選べる最上級の足回りに相当する装備だ。基本性能を最大限に活かすなら不可欠な装備と言いたいのだ。

 気軽に持ち運びできるのがE-420の最大の魅力なら、気軽に撮影できるのがE-520の最大の魅力と言える。筆者は敢えてE-420を「スタンダード・コンパクト」、E-520を「アドバンスト・コンパクト」と定義したい。



E-420はお母さん、E-520は子供向けカメラ?


 あくまで手持ち撮影を行なう前提での話だが、筆者の印象では携帯性を最重視したE-420では、ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F4.0-5.6までが限界。そしてそれ以上の焦点距離を持つ、例えばZUIKO DIGITAL ED 70-300mm F4.0-5.6などのユースが前提なら機能性を最重視したE-520またはE-3しか選択がないのではないかと思う。

実際に、江ノ電にとって初のVVVFインバータ搭載電車「500形電車」を3.5コマ/秒で連続撮影してみた

ゆっくりと走行する電車でも写真ごとの描写の変化が大きい。やはり動き物と連写するなら、最大で5コマ/秒の連写性能を誇るE-3クラスのボディが欲しい。左が筆者的なベストショット。ちなみに、撮影では階調オートを使用。影の中にある車輪やレールなどが黒ツブレせずに写っている

 子供のいる家庭なら、E-520の方がお薦めだ。撮影中、江ノ電の車内で乗り合わせた小学生の一群と親しくなった。子供達がカメラに興味を示したので試しに撮影してもらったが、激しい揺れの車内でもシャープな写真が撮れていた。

筆者と小学生

筆者と小学生。江ノ電の車内でのひとコマ

 筆者の子供時代は、家族写真というと撮影は父親の独断場であった。E-420のようなインターフェイスも含めて熟成の域に到達したデジタル一眼レフカメラの低価格化によって、常に子供と一緒にいる母親にも撮れるようなった。そして、E-520のような手ぶれ補正機能の一般化は子供による家族写真撮影への門戸を開くことになるのではないだろうか?


 また、E-3ユーザーのサブ機にもE-520は適している。バッテリーが共用可能なBLM-1系だからだ。電源系は1系統に統一するのが好ましい。また、E-420はボディーはコンパクトだが、バッテリー充電器がスーパーサイズであることも理由としてあげておく。

 こんな感じにE-420とE-520の利用シーンは意外と異なる。個性の差は、購入時の選択対象となるほどに異なるということだ。

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