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「技研公開」でスーパーハイビジョンを堪能

3300万画素! 有機撮像素子! NHK技研の粋を見よ

2008年05月21日 22時13分更新

文● 新 淳一/アスキーネタ帳編集部

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 来たる5月22日(木)から5月25日(日)まで、東京都世田谷区砧にあるNHK放送技術研究所の一般公開イベント「技研公開」が行なわれます。一般公開に先立ち、プレス向けに展示を見せてくれるというので行ってきました。

 今年の技研公開は62回目を迎えるそうですが、今回のテーマは「技術のチカラがテレビを変える」。谷岡所長いわく、これは「かなり力が入っているテーマ」とのこと。このかつてない元気なテーマには、「今まで技研が衛星放送やデジタル放送など、現在中核となっている放送メディアを先導的に開発してきたのだから、これからも新たな技術で新たなメディアを開発していくんだ」という技研研究者の意志が込められているんだそうです。

NHK技研公開2008

スーパーハイビジョンシアターの様子(提供:NHK)。巨大スクリーンに高精細な北海道の映像が流れる。そのリアルさは、例えるなら窓から外を眺めているような気分

 その新たなメディアとして期待が集まるのが「スーパーハイビジョン」です。今年の技研公開も昨年のスーパーハイビジョン路線をベースにしながら、とくに「スーパーハイビジョンが家庭に入ったら、どのようにすばらしいかを体験してもらう」ことに力点が置かれているそうです。誰です? 地デジのハイビジョンで十分じゃんという人は。「(もう技術的には十分じゃないかという話をされる方もいますが)でも、放送の技術は限りなく発展すると申し上げる」とは、谷岡所長のお言葉。これぞ技術者魂です。

 スーパーハイビジョンは水平7680×垂直4320画素、1画面が約3300万画素で構成されます。ちょうどフルハイビジョンテレビが縦横に4列、計16個並ぶ計算です。最近は1000万画素を超えるデジカメも普及してきましたが、その画素数を大きくしのぎます。そこに加えて、スーパーハイビジョンテレビのフレーム周波数は60Hz(1秒間に60コマ)。実現すれば、超ハイエンドなデジカメで撮った写真をしのぐ画像がなめらかな映像として映ることになるのです。ホラー映画とか、絶対に見たくありませんね。

 今年はついに、撮像側、表示側ともにスーパーハイビジョンフル解像度に対応したものの展示が行なわれている点が1つのトピックです。

左の写真は、3300万画素CMOS撮像素子を赤・緑・青信号にそれぞれ1枚ずつ用いる3板式でカラー撮影するカメラ。信号処理回路は72Gbpsの高速処理が可能。超高解像度レンズが取り付けられ、映像機器間の接続は光伝送化。今回の試作装置では12芯光マルチケーブル1本を実現している(ただし映像を800万画素に切り出し/縮小している)

3300万画素表示可能な広ダイナミックレンジプロジェクター。光出力を輝度用素子に投影してさらに輝度変調させる構成により、黒表示では投射光が2段減衰され、黒をより暗く再現できる。ダイナミックレンジは110万対1。右の写真は3300万画素の解像度を持つ表示素子

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