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京都本社を直撃取材

はてな流の「モノ作り」とは? 近藤社長語る

2008年05月27日 11時00分更新

文● 野田幾子、撮影●篠原孝志/パシャ

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京都に腰を据えた3つの理由


 そもそも、はてなが創業の地、京都に腰を落ち着けたのにはいくつかわけがある。ひとつ目は、東京と適度な距離を保てること。ふたつ目は、京都という土地の孤高性。最後は、若い人材に恵まれていること。

 東京にいたときは、情報過多に陥ってしまっていた。新しいものづくりのためには、集中して考える時間、さらにほかと違う考えを突き詰める時間の両方が必要になる。これまでのサービスとはまったく違う仕組みを頭の中で構築しているときに、人から「時代はSNSだ」といった、「いま現在流行していること」を聞かされても、次世代サービスを考案中の近藤にとってはノイズにしか感じられなかった。

 もうちょっとゆっくり、ある程度ヘンなもの(モノ、者)を放っておいてくれるような環境がほしい。そうすれば、新しいものが生まれてくるだろう。そこでクローズアップされてきたのが、ふたつ目のポイントである「京都の孤高性」だ。

 「京都に住んでいる人は誇りを持っていて東京に媚びない」と近藤氏は考えている。既存のものとは違うものを作り、しかもこちら側をメインストリームにしてやるという気概を京都には感じている。そうでなければ、心が焦るだけで落ち着いてサービス開発に取り組めない。

 「その点、京都の人は『こっちが都だと思ってる』というある意味ヘンな考え方があって、そういう土壌が自分としても結構好きなんです」

 何より、京都には京都大学、立命館、同志社、京都造形芸術大学といった大学が市内に点在している。そこに近藤は1年半滞在していたシリコンバレーと同じ匂いをかぎ取った。「京都を日本のシリコンバレーにしたい」──。想いは膨らむ。シリコンバレーにあるスタンフォード大学やUCLA、UCBらから有能な人材や新しいアイデアがどんどん生まれたように。

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