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BI―ビジネス・インテリジェンス コンピュータの知性はビジネスを本当に変えるのか?

ビジネス版“メデューサの瞳”を手に入れる

@cosmeの裏で活躍するBI

2008年05月19日 04時04分更新

文● 西川仁朗/アスキーネタ帳編集部

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 消費者が買い物の際に、「価格.com」や「@cosme」といった口コミサイトを参考にするのはもはや常識。Webで店員を上回る商品知識を身につけてからリアル店舗に向かう人も多いようです。さらに口コミサイトやブログに使用後の感想を書き連ねることも珍しくありません。そこでメーカーは以前よりはるかに多く寄せられるようになった消費者の声を分析し、商品開発やマーケティングに活用しています。その裏に隠されているのが、「テキストマイニング」と呼ばれるビジネス・インテリジェンス(BI)の技術です。


顧客の声の“なぜ”に迫るテキストマイニング


 某バラエティ番組で、人間の素性を短時間で見抜く天才のことを“メデューサ”と呼んでいましたが、消費者のホンネを探るにもビジネス分野における“メデューサの瞳”が必要です。BIの本質は「経営や業務に関するデータを可視化し、活用する」と言われていますが、もしかするとBIツールとは“メデューサの瞳”を手に入れるツールなのかもしれません。

 BIツールには大きく分けて、分析結果を経営・マネジメント層が企業経営のために活用するものと、マーケティング担当者や店長など現場の人間がマーケティングに活用するものがあります。野村総合研究所の「TRUE TELLER」は後者で使われることが多く、2001年9月に登場して以来、現在5.5にまでバージョンアップしました。導入企業は300社を超え、金融からメーカー、外食産業まで多岐に渡っています。代表的な企業だけ一部挙げると、エレクトロニクス業界ではソニーや松下電器産業、シャープ、キヤノン、富士フィルム、エプソン販売、オリンパスなど、自動車業界ではトヨタ自動車や日産自動車、本田技研工業など、IT企業ではマイクロソフトやヤフーなど、通販業界では千趣会やアスクルなどで幅広く利用されています。

 BIツールは一般的に企業がスプレッドシートで管理しているような数値を集計・分析する「定量分析」を用いることが多いです。しかし、TRUE TELLERはアンケートの自由回答欄やコールセンターに寄せられる顧客の声といった定性情報を分析する「テキストマイニング」と呼ばれる技術を用いています。

アンケートやコールセンターに寄せられた顧客の生の声(=テキスト情報)を、頻出単語との分類し、分析した結果グラフ化する

アンケートやコールセンターに寄せられた顧客の生の声(=テキスト情報)を、頻出単語との分類し、分析した結果グラフ化する

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