コピーも視覚的に分かりやすく
Vistaではさまざまなメッセージが、PCリテラシーの低いユーザーでも意味が分かりやすいよう改良されている。エクスプローラのコピー動作もそのひとつ。
例えば、複数のファイルをまとめて選択してコピー・移動する際には、マウスカーソルの先のサムネイルに、まとめたファイルの数が数字で表示される。また、ファイルをドラッグしてカーソルをフォルダに合わせると、今しようとしている動作(コピー、移動、ショートカット作成)が文字で表示される。自分が何をしようとしているのかを、明示して正しい操作を助けるわけだ。
また、コピー・移動しようとしたファイルと同じ名前のファイルがあった場合には、大きなダイアログと分かりやすい文章で、操作の選択を3項目から選べるようになっている。
ファイルのコピー操作はエクスプローラの基本でありながら、今までほとんど改善されていなかった機能であった。そうした点にも細かい改良が加えられているのは評価できるだろう。
Vistaからなくなった機能も
一方で、従来備わっていながら、Vistaのエクスプローラからなくなった機能もある。先のツールバーもそうだ。
暗号化ZIPファイルの作成も、Vistaのエクスプローラでなくなった機能のひとつである。暗号化されたZIPファイルの解凍は可能だが、エクスプローラでZIPファイルの中身に暗号をかけることはできなくなった。
実はWindows Vistaの開発中バージョンでは、暗号化ZIPファイルの作成ができた。それがVistaの正式版では取り除かれたわけだ。その理由については不明だが、ZIPファイルの暗号化はインターネット上に流通しているツールで簡単に破られてしまうため、情報保護の役に立たなくなっているから、ではないだろうか。脆弱と分かっている暗号化機能を搭載することで、かえって責任を問われるような可能性を避けたのかもしれない。