そのリアルな映像から鉄道ファンの心をぐっとつかんで離さない、という鉄道シミュレータションソフト「Train Simulator」(TS)。1995年のMac版登場以来、プレイステーション2やPSPといった家庭用ゲーム機で幅広くシリーズ展開し、最近では台湾版も発売された人気ソフトです。
そんなTrain Simulatorの技術が、ついにホンモノの鉄道シミュレータに採用されることになりました。その名も「鉄道運転シミュレータシステム」。5月8日に富士通(株)が発表したこのシステムには、Train Simulatorの開発元である(株)音楽館が技術協力。運転士の運転訓練用として鉄道事業者向けに販売する、正真正銘の業務用システムです。
自慢はやはり映像の美しさ。実際の運転席からの眺めに限りなく近い、フルハイビジョンによる実写映像を実現。導入時には実在の路線を走行中の様子をあらかじめ撮影しておき、それを運転操作と連動して再生します。このとき、再生フレーム数を変化させずに映像再生速度を変化させる「可変速再生」という技術を使うことで、加速・減速といった動きにも対応しつつ、毎秒60フレーム・1920×1200ドットの高画質な映像を維持しているのだそうです。