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長~く使える極上のPCケース 第5回

[特集]We Love Case! こだわるから楽しいんだ

長~く使える極上のPCケース【ユニティ編】

2008年05月05日 10時00分更新

文● 加藤 勝明

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シャープなルックスに惚れた!

GS-L01
作業時間:25分

 Mini-ITX以下のスモールフォームファクターをターゲットにしたケースは、ケース内にファンを仕込むスペースも極めて限定されているものだ。だからこそケースメーカーはCPUの冷却方法に様々な工夫を凝らしている。その意味でこの「GS-L01」は非常に面白い設計を採用している製品だ。

GS-L01

某家庭用ゲーム機風のファンレスMini-ITXケース「GS-L01」

 某家庭用ゲーム機風のルックスになっているがこれは単なる飾りではなく、CPUの熱をケース全体を使って放熱することを意図した“ヒートシンク”になっている。電力供給はACアダプターで行なうため、完全ファンレスPCを組むことが可能になっている。やや値は張るが2.5インチのSSDと組み合わせることで“ゼロスピンドル”なデスクトップPC構築にチャレンジしてみるのも悪くないだろう。

開放して

ケースの内部にはACアダプターの電源をPC用に変換する基板、そしてフロントの各種ポート類に繋がるケーブル類が予め用意されている。実際組んでみるとこのケーブルの装着に一番時間を取られることだろう

完成図

ケーブルさえ突破できれば、後の工程は非常に簡単だ。前後長は30.8cmと前述の「PROCASE-mini CrysTa」よりもやや長くなっている

ケース側面

ケースの側面は某プ○ステ2を思わせるデザイン。これは全部金属製になっており非常にカッコよい

ヒートパイプ

これがGS-L01のキモとなるCPU冷却用のヒートパイプ付きアタッチメント。元々マザーに装着されているCPUクーラーを外し、その代わりにこれを装着する

実際に装着してみたところ。アルミ製のブロックから半分チップセットがはみ出しているが、これはGS-L01に対応していないマザーであるため。このアルミブロックは上下位置しか調整できないため、VIA製以外のCPUを搭載するMini-ITXマザーは実質使えないようになっているのが残念

このケースで「技あり!」と思わず叫んでしまいそうになるのがこのドライブベイ。GS-L01の場合はマザーと電気的に結合するための基板がセットになっているので、小型ケースの鬼門であるケーブル回しについて悩む必要は一切ないのだ。HDD・光学ドライブともにIDE接続のものを利用する点に注意

ACアダプタと並べて

余分なものをそぎ落としただけに、本体の厚みはI/Oパネルの厚みだけにほぼ等しい。ACアダプタの出力は19V6.32Aと割と大きめだが、拡張性など全く考えないケースだけに、もうちょっと絞ってもよかった気がする。ちなみに、天板は簡単に取り外せるが、装着する溝の設計が甘いのか、はめ込むのには少々コツがいる

ドライブベイの設計に技あり!

 PCを完全ファンレスにできるという点では非常に魅力的ではあるが、組み合わせるマザーを慎重に選ばねばならない(EPIA M/MII/PD/CL/SPシリーズに対応)点は十分な注意が必要だろう。また、ケース周辺の空気だけで冷やすため運用時の環境にも制限があり、気温が36度以下の環境で使う必要がある(狭い所に押し込みたい場合は風通しが必須ということだ)。
 この2点を注意すれば静音Mini-ITX用ケースとしてはかなり良い出来のケースといえるだろう。特にドライブ類のケーブルを排除できるドライブベイの存在は、このケースの組み立て難度を格段に下げてくれる。
 ただちょっと残念なのは「光学ドライブを内蔵しない」というオプションが用意されていない点だ。内蔵しなくても実施的な不具合はないのだが、フロントマスクに大穴が空いたままになるというのはいただけない。自分でフタを自作する必要があるだろう。

(次ページへ続く)

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