【最新トレンド】 高クロック化時代からマルチコア化時代へ
CPUのクロックも年々上昇してきているが、最近は以前に比べればクロックの向上ペースが緩やかになっている。クロックを上げる代わりにマルチコア化(マルチコアについては第5回で解説予定)によって性能を上げることが主流になっているのだ。
最近のデスクトップパソコン用CPUのクロックは2.5GHz~3GHz程度が一般的だ。ノートパソコン用CPUは消費電力や発熱を低めに抑える必要があるため、デスクトップパソコン用CPUに比べてクロックも低く、1.5GHz~2.5GHz程度が主流となっている。また、AMD製CPUとインテル製CPUを比べるとAMD製CPUのほうがクロックは低めだ。
■先生、質問です!
Q 「整数倍」って、具体的にはどうやってるんですか?
A まず、実際にCPUに供給されている周波数は、正確には「ベースクロック」。これはFSBクロック(同上)を1/4にしたもの。インテル製CPUのFSBはベースクロックの4倍速で動作している。
そこで話を戻すと、CPUの内部にはそのベースクロックを整数倍する「逓倍(ていばい)回路」というものが入っている。その回路が「PLL」と呼ばれる回路を使って正確な周波数を作り出しており、それがスペック上のクロックになっている。
例えばインテルのPentium 4(3GHz)であれば、ベースクロックの200MHz(FSBはベースクロックの4倍で800MHz)を逓倍回路で15倍したものがスペック上の「3GHz」になっているわけだ。
■ 著者紹介
石井英男(いしい ひでお)
テクニカルライター。東京大学大学院 工学系研究科出身。在学中に雑誌や書籍の執筆を始め、大学院卒業後、フリーライターに。パソコンのハードウェアをはじめ、ノートパソコンやPDAなどのモバイル機器を専門としている。
太田虎一郎(おおた とらいちろう)
漫画家。かわいいキャラクターとシュールな世界観の絶妙なミスマッチが特徴。漫画ファンを中心にコアな人気を誇る。代表作に『宇宙の法則 世界の基本』(コアマガジン)、『かるき戦線』(芳文社)など。
■この講座について
「3分で分かるPCの基本」は、ほぼ毎週金曜日に更新です。第1シーズン「CPU編」は全13回の予定。全て読み終われば、ビギナーのあなたもPCマスター?!
(以下続く)
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