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長~く使える極上のPCケース 第2回

[特集]We Love Case! こだわるから楽しいんだ

長~く使える極上のPCケース【クーラーマスター編】

2008年04月23日 23時59分更新

文● 加藤 勝明

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 PCの愛着を左右する重要なパーツといえばPCケース。全5回にわたって著名なケースメーカー自慢の製品を紹介する連載第2回目は、冷却パーツメーカーとして知らぬものはいない大御所「クーラーマスター」だ。シンプルな機能美を武器にしていたアビー(前回紹介済み)の製品とは異なり、クーラーマスター独特の美学に基づいたデザインや機能へのこだわりが、どう活かされているかチェックしてみたい。

クーラーマスター

冷却パーツメーカーとして知らぬものはいない大御所「クーラーマスター」のPCケース

下から上への空気の流れにポイントあり

COSMOS(RC-1000-KSN1-GP)
作業時間:20分

 現在のPCパーツはCPUを筆頭に低発熱化しているが、ハイエンドパーツの発熱量は依然として高い。クアッドコアCPUやデュアルGPU搭載仕様のビデオカードを集めてPCを組もうと思えば、冷却をキチンと考える必要がある。だが単純にファンをブンブン回せばそれだけファンノイズも増える。静音を狙いつつ性能も確保するにはどうすればよいか……その答えの1つがこの「COSMOS」だ。

COSMOS

静音を狙いつつ性能も確保したクーラーマスター製PCケース「COSMOS」

 「COSMOS」を見てまず感じるのは、ファンレイアウトが普通のケースと微妙に異なる点だ。フロントファンはなく、ケース底面から吸気を行ない、背面と天井から排気するスタイルだ。また、側面には一切吸気口の類はなく、さらに側板とシャーシを密着させることでケース床面→天井へのエアフローを徹底して確保するようになっている。通常のケースではフロントパネル裏のファンの風がHDDをかすめつつ内部に入り、上に抜けていく構造なのだが、このケースでは徹底的に下から上への気流にこだわっているのだ。
 ファン数は床面(吸気)1に背面1+天井2(全て排気)という徹底した排気重視の設計。内圧を低めに保つことで、新鮮な空気をどんどん採り入れていくのがCOSMOS最大の特長といえるだろう。

前面

フロントは開閉式のドアになっており、開放するとメッシュ状になったベイが顔を出す。普通のケースだとドアを閉じた時点で通気性は著しく損なわれるものだが、このケースの場合はフロントメッシュはプラスα程度の役目。だからドア密閉でも全く問題はないのだ

スイッチ部

スイッチやフロントアクセスポートはケース手前上面に設置されている。サイズ的にも床上設置前提なので非常に使い良い配置といえるだろう。ちょっと嬉しいのはUSBが4ポートも用意されている点だ。このあたりはライバルといえるAntec「Nine Hundred」をちょっと意識している感じが伺える

背面

電源ユニットはケース最下部に設置するスタイル。最上部にある2つの黒い穴は水冷用のホースをケース内外に出し入れするためのものだ。側板はネジ留めではなく、背面上部にあるレバーを下に押下げるだけで簡単に外れてくれる

側板

シャーシ部分はスチールだが、前面ドア部と側板はアルミで作られている。側板の内側には吸音シートを装着することにより、内部のノイズを外に漏らさない工夫がされている。なかなかよい作りではあるのだが、本体に装着するときに位置決めにちょっと慣れが必要

ノギス

側板のアルミ部分の厚みをノギスで測ってみると実測で約1.7mm。ある程度の強度もあり、アルミゆえのヤワな感じはない

開放

内部はマザー&電源ユニットの入る部分と右上の5インチベイ部分、そして右下のシャドウベイ部分の3つに分割されている。側板がはまる部分にはゴム製パッキンが設置されているが、このおかげで側板がビリビリ共振することを極力抑えている。マザーが入るスペースにはやたらと穴が設けられているが、これはXeon用のクーラーを留めるための穴も含まれている

ドライブベイ全景

COSMOSの特長が良く表れているのがこのドライブベイ部分だ。シャドウベイは引き出し式になっているのだが、普通はケース前後に向かって風が通るような設計にするはずなのに、COSMOSではHDDで壁を作るように配置されている。5インチベイは紫色のボタンを1プッシュする度に固定用のピンが出入りするタイプ

ドライブマウンタ

HDDのマウンタはアルミ製。HDDとの接触部分には防振目的のゴムが入っており、振動を極力シャーシ部分に伝えない努力が盛り込まれている。ただ気になるのは、HDDのコネクタ部分をケースの中側に出すように固定する点だ……(右の写真参照)

内側

ケーブル類はこのように1度ケース裏側に回して、そこからHDDに接続する。最初は両側のサイドパネルを外す必要があるので面倒だ。しかし、HDDのケーブルが隠れるため見た目が美しくなるので、その手間に見合うだけのことはあるだろう

(次ページへ続く)

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